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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

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フィナンシェの本

久しぶりに行った書店で見つけて買いました。フィナンシェが好きなので買わずにはいられませんでした。

この本の出版元、確かグラフ社だったはず…と確かめてみたら、昨年春あたりにルックナゥに変わったようです。業務が移管されたとのことです。過去絶版状態だった本も再出版されていたり、1000円以外の価格帯の本がちらほら出てきていて、何だかちょっと新たな動きがあるような感じです。

藤木稚子さんは、『アラン・デュカスのナチュールレシピ』という分厚い本を翻訳されていて、フランス事情にも詳しい方のようです。フィナンシェレシピだけではなく、パリの名店から出ているフィナンシェの食べ比べや、実際のお店のレシピもいくつか加えて、著者のフィールドを生かした、ちょっとしたフィナンシェ最前線みたいな本になっています。今までは、このタイプの本は、どの本も50レシピ位を詰め込んだ内容で攻めてきていたけど、この変化は何だろうか?と嬉しい驚きです。今後、マイライフシリーズはどんな趣向を取り入れていくのか興味深々です。

同時に研究家、出版社同士の競争が激しいのかなとも思えました。読み手側としてはとても楽しいですが、作り手側は大変そうです。海外帰りの研究家さんはとても多くなってきましたし、お菓子がある程度美味しいのも当たり前の状況になる中、何を伝えられるのかが、ますます問われているようです。

フィナンシェ・サレなんて分野があるんですね。
何でもサレかよ!と最初は毒づきそう(笑)になりました。でも、よくよく読んでみるとおつまみにいいですね。今までスコーン、シュー、ケーク・サレなど、お酒に合い、軽い食事にもなるよとお勧めされる食べ物はいくつか見ましたが、フィナンシェの小ぶりさは、かなりお役立ちしそうでいいです。好きなのをちょっとつまんでゆっくり飲めそうです。もちろんおやつにも。

日本において日本酒やビールを飲む時、おつまみとしての乾き物はとても豊富ですよね。するめ、チーズ鱈、ほたて貝ひも、いかフライ、ピーナツ…書いていくとキリがない位あり、特に海産物の豊富さは抜群で、お菓子を塩味にする必要が無いくらいです。

しかし、フランスですと、食事に合わせてワインを楽しむことが多いですし、単独で飲むとしても、つまめるものは、チーズ、チョコレート、バゲット…位しか思い浮かばないです(本当は私が知らないだけでいろいろあるのかも知れませんが)。ですから、塩味主体にお菓子がアレンジされることが多いのかな?なんて考えました。勝手な説でアレですけど。スペインだったら、それこそ、タパスだピンチョスだと、(料理になりますが)一口サイズのおつまみがたくさんありますしね。

甘い方のフィナンシェもいろいろ載っています。シリコンのシート状になっているプチフール用の型をたくさん使って作ってあります。元々型にはあまり興味が無くて、収納場所に困ると思っていましたが、フィナンシェを作る為に欲しくなりました。見た目、つまみやすさ、食感の違いなど、いろいろ試してみたいです。フィナンシェは、極端な話、混ぜれば出来るしそれなりに食べられるので、チャレンジするのに敷居が低くて、バリエーションが増えてもあまり困らないです。

それに質の良いアーモンドプードルを手に入れれば、おいしさは即座に変わりますから、お菓子を余り作らない人でも、満足できるものが作れるのでは?と思いました。初心者入門によく取り上げられるクッキーの方が、きちんと生地を均一に合わせないとならないし、バターの温度管理も気にしないといけないので、難しい面がある気がします。

プレーンなフィナンシェについて、材料や製法などに10ページ程度を割いて説明してあり、好みの味を作れるように工夫されていて、焼き上がりの比較写真が付いています。フィナンシェは焦がしバターを使うのが定番だと思っておりましたが、溶かしバターでも良いし、型にバターをたっぷり塗らなくても良いし、自由に解釈されていて、パティスリーでも様々に工夫されています。パリのパティスリーを紹介したページについては、14店舗それぞれに(4店舗については配合が載っています)、材料、食感、焼き色、などの簡潔なレポがあり、甘さ・香ばしさ・バター感・しっとり感の4つで5点満点の採点が付けてあります。全ての点が高ければおいしいということではなく、試食して感じた強弱を指数化したもので、味のバランスの違いを読み取ることができます。

こういう一つの分野のバリエーションを詰め込んだ本は、過去から今に至るまで何冊か読みました。凝っていて凄い変化球のバリエーションだから刺激にはなるが、これは作らないだろうな…と思うようなレシピの載っている本もあったり、とってもかわいい装丁になっていたりといろいろです。また、配合の微調整で好みのおいしさを作るパターンは、たいていどの本にもあるものです。

こちらの本は、従来の本と似たパターンを踏襲しながらも、何かすぐに作れそう、味の予想は何となくつくが試しに食べてみたいと、飽きずに読めてしまいました。プレゼンテーションが上手くいっている本ではないかと思いました。

味付けもスパイスなどで変化させるというのではなく、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツの粉末とそれぞれの風味に合うチョコレートやジャムなどのトッピングで変化させたり、リキュールを使うのであれば、焼き込むのではなく、サヴァランとして扱うといったように、あまり複雑さは無くてメリハリがある感じです。扱い方や工夫でバリエーションを増やしていて、レシピを読んでみると、材料の種類が抑えめになっています。特にナッツの粉末は酸化しやすいので、袋で買っても余りが出にくいよう、いろいろに使いきれる配慮がされているんじゃないかと思いました。

時々出てくるマロンクリームやグリオットはフランス菓子の定番食材ですし、サレに出てくるタプナードなど、基本的なフランス菓子や料理の範疇の中で展開されていて、何でもアリなようでいても基盤はあります。ですので、ピエール・エルメさんのイスパハンのマドレーヌやマカロンのように、あっと驚くようなのが欲しいというような人には物足りないかも知れません。

全体を通して、フィナンシェがこれほど多彩で柔軟にアレンジが効くものとは…と、読んでみて楽しさの連続でした。藤木さんの次の書籍にも期待したいです。



以下、目次より引用です。


幸せを連れてくるお菓子

○Chapitre1 材料のこだわりを楽しむフィナンシェ
バニラ風味のフィナンシェ(基本の作り方)
材料と道具
材料と焼き方にこだわる
1 薄力粉とアーモンドパウダーの場合
2 砂糖の種類
3 ベーキングパウダーの使用
4 バターについて
5 卵白の加え方
6 型と焼き方

○Chapitre2 フレーバーを楽しむフィナンシェ
チョコレートパールのフィナンシェ メープル風味のフィナンシェ
アーモンドプラリネフィナンシェ キャラメリゼしたナッツのフィナンシェ
塩キャラメルフィナンシェ ドライフルーツフィナンシェ
カカオフィナンシェ チョコレートフィナンシェ
フランボワーズのカカオフィナンシェ パールショコラのカカオフィナンシェ
ナッツのカカオフィナンシェ ピスタチオフィナンシェ
フランボワーズジャムのピスタチオフィナンシェ
パールショコラのピスタチオフィナンシェ
ホワイトチョコのピスタチオフィナンシェ
ガナッシュの入ったフィナンシェ3種(プレーン/カカオ/ピスタチオ)
ヘーゼルナッツフィナンシェ ヘーゼルナッツのプラリネフィナンシェ
ヘーゼルナッツのチョコフィナンシェ
マロンクリームの入ったフィナンシェ2種(プレーン/カカオ)
抹茶フィナンシェ パールショコラの抹茶フィナンシェ
あずきの入った抹茶フィナンシェ

○Chapitre3 味と形を楽しむフィナンシェ
カップケーキ風のフィナンシェ(A~D)
サヴァラン風1(A、B) サヴァラン風2(A~C)
三角形 星型 スティック型(A~C)
タルト1(いちごのタルト) タルト2(チョコレートのタルト)

Chapitre4 お酒と楽しむフィナンシェ・サレ
チーズ風味のフィナンシェ・サレ トマト・コンカッセのフィナンシェ・サレ
カレーコーンのフィナンシェ・サレ パプリカ&チェダーのフィナンシェ・サレ
アスパラとヘーゼルナッツのフィナンシェ・サレ 
ロックフォールとくるみのフィナンシェ・サレ
バジルペーストのフィナンシェ・サレ
トマトとくるみのペーストのフィナンシェ・サレ タプナードのフィナンシェ・サレ
マヨネーズとチキンのフィナンシェ・サレ バジルモッツァレラのフィナンシェ・サレ


パリで注目のパティスリーが自慢のフィナンシェ・レシピを公開!
パリでいちばん人気のパティシエからのメッセージ
フィナンシェをとびきりおいしく作るための三つのポイント
パリの注目パティスリーのフィナンシェ現地リポート

○コラム
パリで人気!一口サイズのフィナンシェ フィナンシェに添えるチョコレートソース
ヴェリーヌ フィナンシェを贈る楽しみ
フィナンシェ・サレとスープのおもてなし(白い玉ねぎのスープ/ズッキーニのスープ)
フィナンシェ・サレとソースのオードブル(パプリカのクーリ/バジルクリーム)


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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

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