FC2ブログ
プロフィール
2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
全記事一覧

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ミセス・ベリーのジャムノート

ミセス・ベリーこと赤曽部麗子さんの本です。

テーブル周りやお皿などは、ホルトハウス房子さんや大原照子さんあたりの世代の方が好みそうな感じの、少しクラシカルな雰囲気が漂います。ばらのジャムやいちごミルクジャムなど、少しロマンチックなところもありで、同じグラフ社から出ている小川聖子さんの合理的に情報が整理され、レシピ数がてんこ盛りのジャム本とはかなり違った、ゆとりを感じる本です。

また、いがらしろみさんのジャム本のように温度、分量などを正確に作りこむといったものでもありません。あまり細かいことを考えずに、くつくつとジャムを煮てみたい人に向いているように思います。ちゃんとアクをひいて、粘度が出たところで火を止めるというわかりやすい手順なので失敗しにくく、ジャム作りの入門編としてもいい感じです。長年の経験が織り込まれていて、この果物は煮詰まりにくいとか、新鮮な状態で買うにはココを見るのがポイントなど、簡潔に書いてあります。

しかし、入門編としてもいいと書いておきながら、ここから矛盾するようなことを書いてしまいます。

本書では熱の伝わりが良い銅鍋を使っています。ゆったり気分で作れるとしても、写真のように完成度を上げるには、銅鍋を使うのがポイントのような気がします。しかし、銅鍋はサビを付けないためのお手入れが面倒で、よほど好きでない人以外には現実的ではありません。果物の酸に強くお手入れも楽なステンレス製ということになるのでしょう。ステンレス製は、火の当たったところに熱が集中しやすくて焦げやすいというデメリットがあります。熱伝導の良いアルミとの多層構造もので、18-10ステンレスを使ったビタクラフト、クリステル、フィスラーなどのメーカーのものを、ちょっと奮発した方が良さそうです。

煮込みに向いているホウロウ鍋は、金属味が出ず保温性も良いですが焦げ付きやすいです。煮詰まってきたら気をつけないといけません。やはりこちらもル・クルーゼなどの保温力が高く熱の当たりが良いホウロウ鍋が、道具に助けられていいと思います。

あるいは、思い切って銅製のボウルで作るのもアリです。これなら質の良いメレンゲも立てられるし、カスタードクリームを煮たりもできます。なだらかな広い鍋底があるようなものですから、水分蒸発が早いです。お菓子作りの好きな人なら使い倒せるというものです(私は持ってません。欲しいです。大きめの銅のボウル…)。
ただし、加熱すると中の汁に大きな対流が起こることが予想されるので、セミコンフィみたいに果物の形を残したいものにはあまり向いていないかも知れませんが…。

どっちにしろ、ちょっとお金をかけて良い鍋使ってくださいみたいな書き方になってしまいましたが、良い鍋の方が間違いなく楽に作れます。私はかつてパイロセラムというパイレックスのセラミック版みたいな鍋でジャムを作ったことがあります。酸にも強いし厚みもあるから保温性もいいだろうと思っていたら、ガスコンロの火が当たった通りに、円形に焦げが出来てしまいました。局部的にすぐに出来てしまうものですから、ひっきりなしに鍋底をかき回さないとならなくなって一生懸命になったことがあります。ガスコンロにかけられる仕様の鍋ではありましたが、これはあくまでもオーブンウェアなんだな…と観念し、結局、ステンレス多層構造の鍋で作るようになりました。

また、あえて言うと、ジャム作りに力を入れている人には、こちらの本は物足りないかなと思います。科学的な根拠が必要で、味を自分なりにこだわって突き詰めたい人、保管のことまで考えたい人には別の本が良いと思います。ですが、著者の赤曽部さんは、長年に渡ってジャムをお作りで、人気のブログも持っておられます。地域の特産品を生かしたジャムレシピの提供など、活発な活動をされている方です。もしも本格的な内容の本をもしも出版するようなことがあれば、手に入れて是非読んでみたいです。ジャム作りの舞台裏なんかも知りたいです。

ジャムのレシピは季節に沿って紹介されています。区分が四季ではなく12ヵ月になっているところがちょっと細かいです。でも、かえって最盛期や旬の時期がわかりやすくなり、そろそろこのジャムを作ろうかな…という気分になれていいかも知れません。

ジャム本の例に漏れず、ジャムを使ったお菓子や料理への展開も少し紹介されています。小川聖子さんの本にしても、いがらしろみさんの本にしても、スコーンに関しては生クリームが入ったミルキーでしっとりしたものになっています。本書はヨーグルトと卵が入ります。イギリスで作られるあっさり味のほろっとしたスコーンには、こってりしたクロッテドクリームとジャムがセットです。クロッテドクリームなどを添えない場合や手に入れにくい場合は、スコーン本体をクリーミーあるいはソフトな食感でしっとりする方向に持っていくのがいいんだなと思いました。のどごし良く、ジャムとの酸味のバランスも取れるのでしょう。ヨーグルトなら、どの家庭にも常備しやすく気軽に作ることが出来ます。栗原はるみさんの『私の好きなおやつとパン』に出ていたスコーンもヨーグルトがベースでしっとり軽い食感のものが紹介されており、日本人の好む味のラインを感じさせられました。



以下、目次より引用です。


ジャム作りの道具

○12か月のジャム
1月
いよかんマーマレード きんかんマーマレード ミルクジャム

2月
いちごジャム(基本のいちごジャム) 
―いちごジャムバリエーション―
いちごミルクジャム いちごチョコジャム ミックスベリージャム
いちごとラズベリーのジャム {レアチーズケーキ}

3月
三宝柑マーマレード 塩キャラメルジャム

4月
清美オレンジマーマレード 日向夏マーマレード 福原オレンジマーマレード
レモンカードクリーム {タルト生地} {クレームダマンド}

5月
マンゴージャム マンゴーとパイナップルのジャム

6月
青梅ジャム 南高梅のジャム ばらジャム すももジャム 
アメリカンチェリージャム

7月
あんずジャム ラズベリージャム ブルーベリージャム

8月
トマトジャム しょうがジャム 桃ジャム プルーンジャム
ドラゴンフルーツジャム

9月
和栗のジャム ぶどうジャム いちじくジャム

10月
ルバーブジャム {ルバーブジャムのクランブルケーキ} キウイジャム

11月
紅いりんごジャム ラ・フランスジャム ミルクティージャム

12月
柚子マーマレード ル・レクチェジャム
{スコーン} {ジャムクッキー}


○ジャムを使ったお菓子と料理
いちごのババロア いちじくのクレームダンジュ ブルーベリーチーズケーキ
マンゴームース プルーンジャムアイスクリーム クグロフのいよかんケーキ
ジンジャーケーキ {しょうがの砂糖煮} マカロン 和栗のカップケーキ
牛肉のワイン煮 鶏から揚げのしょうが風味だれ チキンのマーマレードロースト
スペアリブ 三宝柑のポークソテー

ジャムで作るとひと味違うドレッシング
柚子ジャムドレッシング(えびとアボカドのサラダ)
すももジャムドレッシング(にんじんサラダ)
青梅ジャムドレッシング(ミネラルいっぱいサラダ)


○ミセス・ベリーから一言
ジャム作りに便利な道具 ジャムの香りづけ 生産者の方々との出会い
お気に入りの器 プロの方々との出会い

私とジャム {いよかんピール}


スポンサーサイト



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

コメント

No title

初めまして、こんにちは。
まだまだ至りませんが、今後も精進してまいりたいと
思います。
貴重なご意見をありがとうございます。

お鍋の話が参考になりました

こんにちは。はじめまして。
ジャムやコンポートは早めに食べきるのでいつも適当な割合で作っていますが、ふと思い立って検索したところ、こちらにたどり着きました。
わが家ではシラルガンという、ちょっと何で出来ているか説明できないような厚鍋で作っていますが、これまであまり鍋のことを考えたことがなかったので、とても面白くて参考になりました。
料理の本は大好きなので、これから少しずつ拝読します。
よろしくお願いいたします。

Re: お鍋の話が参考になりました

桃ジャム調理中さん、コメントありがとうございます。

シラルガンですか。いいなあ。興味あります。
私も以前、アルミ素材がアルツハイマーの要因になっているとのことで、鍋を買い換えようか悩んだ時期がありました。シラルガンも候補に上がったのですが、重くて高価なのがネックになって保留したまま現在に至ります。金気が出ないので果物を煮るにはとても良さそうですね。紅茶やコーヒーなど、飲み物用の湯を沸かすのにも癖の無い水が得られそうなので、使ってみたいお鍋です。
ちなみに最近は、梅を甘煮にしました。ステンレスの鍋で作りましたが、こういう酸のキツイものほどいいでしょうね。

ブログは2年以上更新していませんでした。今後もかなりゆっくりの更新になります。よろしくお願いいたします。

シラルガン

ご丁寧にお返事ありがとうございます。

シラルガンは二十数年前にデパートで見掛けて購入したものを今も使っています。
浄水器なしでもおいしい水が飲める田舎なので水の味に対する効果はわかりませんが、厚手で火の回りが遅い分、焦げ付きやすいものの調理に向いているようです。焦げ付かせてしまったときも(火にかけているのをよく忘れるもので)、水につけておけば、きれいに落ちる点も気に入っています。

無水鍋のような形のシングルセットはさすがに重くて、石焼き芋を作るとき以外は天ぷら鍋になっています(笑)。
みそ汁を作ったりミートソースを作ったりと毎日のように活躍しているのはミルクパンサイズの小鍋で、ジャムを作るのもこの鍋です。このサイズなら重くても苦にはなりません。
おっちょこちょいな私には、取っ手に当たってひっくり返すということがないのも助かっています。
オークションに出ていた並行輸入品を予備用に買いましたが、箱が粗末なだけで、中身に違いはありませんでした。値段は半分以下だったので、定価で買ったのがちょっと悔しかったほどです(苦笑)。

お子さんが小さいと自分の時間は本当に貴重だと思います。
私は娘が2歳のとき初めて包丁を持たせました。
娘が料理に興味津々だったので、台所から閉め出すより一緒に楽しめば家事と育児の時間を兼ねられ、少しは自分の時間が持てるかもという、ずるい思惑もあったかもしれません(笑)。
まだ「食育」なんて言葉のなかった時代で、坂本廣子さんの『台所育児』という本のお世話になりました。
その娘も大学生になり、今は一人暮らしで腕を振るっているようです。
あんなに忙しくて早く独り立ちしてほしいと思っていたのに、今は出来ることならあのころに戻してほしいと思うのだから、人間というのは勝手ですね。

子どもの教育費がかかるようになってからは、料理の本も図書館で借りてみて、どうしても欲しいと思ったものだけ買うようになりました。
図書館も本が多すぎるのか、それほど古くなくてもどんどん書庫に移されるので、そういう本は手にとって見ることができません。検索ワードに引っ掛からないと、書庫にあることすらわかりません。
そこでアマゾンで検索し、レビューを読んでから図書館に予約するのですが、こちらのブログをアマゾンのレビューのように使わせていただきたいと思っています。

紹介されている本を全て図書館で借りて読むには相当時間がかかりそうです。
更新は10年先でも構いませんので、今はゆっくり育児を楽しんでくださいね。
私の書き込みも、しばらくご遠慮させていただきます。
よろしくお願いいたします。

Re: シラルガン

返信とお気遣いありがとうございます。
私の方は、頻繁なチャット状態にならなければ返信できますので、何かコメントありましたら、またお願いいたします。
何しろブログに閑古鳥が鳴いている日が多いものですから。

シラルガンは、輸入してしまえば安いんですね。
国内の訳あり並行輸入品を買うか、ドイツ版のeBayのような所で買うか…で、ちょっとだけリサーチしてみたくなりました。
私も使いたいのは小さめのです。

子供を台所に入れるのはいいですね。
私もやってみたいですが、どっちかというと息子が破壊王なものですから(笑)どうなることやら。
坂本廣子先生は、1冊だけ出ているパンの本が好きで、焼き始めた頃は、これを見て参考にしていました。
また、Eテレの子供がクッキングする番組の監修もやっていらしたりして、子供の食育については力を入れている先生ですよね。『台所育児』は読んだことがありませんので、機会を見つけて読んでみたいです。いろいろな情報をありがとうございました。
非公開コメント

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめtyaiました【ミセス・ベリーのジャムノート】

ミセス・ベリーこと赤曽部麗子さんの本です。テーブル周りやお皿などは、ホルトハウス房子さんや大原照子さんあたりの世代の方が好みそうな感じの、少しクラシカルな雰囲気が漂います。ばらのジャムやいちごミルクジャムなど、少しロマンチックなところもありで、同じグラ...
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
フリーエリア
月別アーカイブ