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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

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Author:oyatsu082

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小さなジャムの家

フェルベールさんのジャムが日本の代理店で展開する際のガイドブック的意味合いも込めて発刊されたようで、ジャムの家(店舗)があるアルザスの世界観などバックグラウンドを含めて楽しむ本です。期待しているほどにはジャムの作り方が詳しく書かれているわけではなく、特に工程写真は殆どありません。それでも29点は材料および分量、作り方が文章で載っています。詳しく書かれていないとは言え、本の初めの方には、ジャムに対する大まかな考え方や道具の扱い方などが述べられていて、頼りになる情報だと思いました。

小麦粉など農産物を加工したものを主に使ったお菓子レシピの場合、品質がある程度コントロールされた信頼性の高い材料を使えるため、レシピを詳細に安定的に決めることができます(例えば小嶋ルミさんや弓田亨さんのケーキレシピのように)。
ところが、果物については、同じレシピで作ったとしても、季節や年度で味や品質にばらつきが当然出てきます。そもそもばらつきのある果物を自分で選別するところから始まっていきます。しかも、フランスと日本では、同じ品種の果物であっても産地が違えば味の違いが出てきます。こういったさまざまな条件を加味しつつジャム作りをするわけですので、ジャムの妖精フェルベールさんと同じように…というよりは、今の自分が置かれた状況で、経験と想像力の範囲内で自分なりのジャムを作るしかないような気がしました。

フェルベールさんのジャム作りは、材料選び、果物の下処理の仕方、2段階の加熱が肝になってきますから、そこさえ注意すれば、料理などで調理そのものに慣れている人ならば、少ない情報でもいろいろと作れると思います。しかし、慣れていない人である程度作りたい意欲があるならば、いがらしろみさんか鈴木方子さんの本が最初は取り掛かりやすいです。個人的には鈴木方子さんの方がフェルベールさんの方法に近い感じがして、工程写真もたくさんあるのでいいなと思います。いがらしろみさんは、『ジャムのお菓子』という本を見る限りでは、出来上がったジャムの雰囲気は近いのですが、調理方法は多少端折られている感じがあります。フレッシュ感を出すために短時間で一気に作りあげ、温度管理などもシビアなところがあります。しかし、勘で煮詰まり感を見分けるよりは温度の方がわかりやすいとは言えます。

ジャムのレパートリーに関しては、こんなのもあるのか…と興味がわいてくるものばかりで、あれもこれも作ってみたくなります。特にメモ欄に、サブレに添えて、アイスクリームと共に、クレープに塗って、チーズと一緒に、などのお勧めの食べ方が書いてあり、読んでいると味を想像、吟味して既に食べているような気持ちになり、作りたい気持ちが高まってきます。で、実際作ったら、何だか食べ過ぎそうな気がします。ジャムに添える食べ物は、無理に作らなくても市販品のものでも充分に楽しめる範囲に留まっています。ジャムを使って更にガトーバスクを作って…とか、ドレッシングの隠し味に…などというわけではありません。ジャムがいつでも主役で、ジャムをおいしく頂くための物として提案されているのが殆どです。ジャム作りに心血を注ぎ(?)一瓶作ったなら、その後はどうしようかな…となる前にジャムが消費できそうです。

しかし、お勧めされている付け合せのチーズなどは、紀ノ国屋や成城石井などに買いに行ける人や通販を利用するのは別として、日常ではそうそう簡単に手に入らない銘柄が多いです。日本人に向けたプレゼンテーションとしては、もう少し近所のスーパーでも手に入るものにも言及されていたらと思いました。

ジャムは、アルザスでは家庭で作って食べるものであり、思い出や郷愁が詰まったものでもあり、歴史が長いです。日本でもジャムが文化として成熟するように、自力で開拓するのがいいのかも知れません。でもその前に、日本の果物は砂糖で加工するのに適したものよりも、生食するための付加価値が付いたものが多いので、ジャム作りがなかなかメジャーになりにくい気がしました。ジャムになる食材が豊富に無いとジャムを作る層が厚くなりませんし、日本人は常に粉食しているわけではないので、気軽で多彩な食べ方を楽しむという点ではフランスには及ばないようです(個人レベルでは充実している人もいらっしゃるとは思いますが、全体としての印象です)。



以下、目次より引用です。


Chapitre1 クリスティーヌのコンフィチュールレシピ
コンフィチュールを作る前に 用具について

○春のレシピ
春にんじんとシナモン マダムのコンフィチュール(バラの香りのさくらんぼジャム)
ムッシュウのコンフィチュール(さくらんぼとフランボワーズのジャム キルシュ風味)
グリオットとりんご フレッシュ・ミント味
森のいちごジャム ニワトコの花
ルバーブ、りんご、ゲヴュルツトラミネール

○夏のレシピ
アプリコットとネクタリン しょうが風味
フランボワーズとチョコレート
グロセイユのジュレ
メロンとアーモンド
ミラベル、オレンジ&カルダモン
森のブルーベリージャム ピノ・ノワールとシナモン風味

○秋のレシピ
アルザス産クエッチのコンフィチュール くるみ入り
栗とヴァニラ
私のパパのコンフィチュール
洋梨のコンフィチュール ヴァニラ風味
イチジクと松の実、ゲヴュルツトラミネール
ぶどう畑の桃
野バラの実のコンフィチュール 
スパイシーなかりんのジュレ

○冬のレシピ
オーストリア風
柑橘系のジャム しょうがのコンフィ入り
パイナップル ヴァニラ味
バナナとビターチョコレート
ノエルのコンフィチュール
キンカン、オレンジ&パッションフルーツ

○コンフィチュール・ジャポネ 日本の食材を使った和風コンフィチュール
洋梨 抹茶風味
あずきのコンフィチュール
玉ねぎとりんご 海苔風味

~ニーデルモルシュヴィルへ行く旅


Chapitre2 アルザスのメゾン・フェルベール
~コンフィチュールの時


Chapitre3 メゾン・フェルベールのコンフィチュールカタログ
全コンフィチュールリスト


さいごに



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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

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