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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

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果物を食べるジャムづくり

北海道の真狩村でジャムの店を一人で切り盛りしている鈴木方子さんの本です。
ジャムの種類の多さという観点から他の本と比べると、割高感(1680円)があります。思ったより少なく20種類ほどです。総ページの3分の1はジャムを使った料理やお菓子、デザートなどに充てられています。レシピ数が欲しい方には、あまりお勧めではありません。残念ながら、あっと言う間に絶版になっている本でもありますが、コストパフォーマンスの良いジャムの本が他にもある昨今を考えますと、価格設定と内容のバランスがイマイチだったかな…と思います。

作り方は、1日目にシロップ煮状態にしたものを2日目に煮詰めるという2段仕込みで、あまり煮すぎずに素材を生かし、浸透圧のお陰で糖分が充分果物に浸透しつつ果汁も出てくる作り方です。出来上がったジャムは、にごりが少なく透明感があり、美しいです。時間がおいしくしてくれるところがありますので、一気に煮上げるのに慣れていない人にいいです。また、ジャムを一度煮始めたら、瓶詰めするところまで一気にいかねばなりませんから、まとまった時間が取れない忙しい人は、瓶詰めを後日に回せて、自分のリズムでジャム作りができます。

この2日に分けて仕込む方法は、クリスティーヌ・フェルベールさんがこのやり方でジャムを作っているとのことで、私の手持ちの本では『ケーキングvol.6』のアルザス特集に2ページだけマスカットジャムを作る様子が載っています(『小さなジャムの家』にはもっと載っていますが…)。また、『エスプリ・ド・ビゴのホームベーカリーレシピ』という本にもジャムの作り方がありますが、フランスのアルザス地方で習ったジャムとのことで、2日に分けて仕込んでいます。フェルベールさんの名前は出ていないのですが、おそらく情報の元は同じだろうと思います。そこかしこにフェルベールさんの影響があり、驚いてしまいます。

フェルベールさんの『小さなジャムの家』には、日本では手に入りにくい素材(ミラベル、クエッチ、アルザス産白ワインなど)を使ったジャムが紹介されていますから、鈴木さんの本の方が、日本においては現実的に調理可能なものになっています。フェルベールさんの2段仕込みの手法を知りたいなら、鈴木さんのものの方が作りやすい気がします。

家で作れるジャムの本ではありますが、全体を通じてジャムに適した果物の品種選び、皮むき、保存ビンの管理など、素材に向かうプロの作り手の姿勢が伝わってきて参考になります。例えば、果物の切り方には向きや厚みの指定がありますし、種のとり方は、作業性よりもジャムの出来上がりにとってベストな方法が選択されています。とにかく全ての作業に何らかの理由があります。作業工程の写真も多めで丁寧だと思います。本通りの材料を揃えて作るのは難しいものもありますが、作るにあたっての考え方や勘所は学べますので、この本に出てくる果物の品種ではなくとも、適当に煮ていたジャムがグレードアップすると思います。濃度を出すためのペクチン添加も必要なところで出てきます。この本を参考にいがらしろみさんや福田里香さんのレシピも試しに煮てみたいと思いました。

また、フェルベールさんのところへ修行しに行ったお話など、コンフィチュールの業界に憧れている人には読み物として参考になるところがあります。フェルベールさんにしても、鈴木さんにしても、納得のいく品質のジャムを作るために、地元のおいしいフルーツを懇意にしている生産者さんから買ったり、地元が無理なら友人からの紹介で青果店と直接取引などということが切り離せません。生活からジャムだけを切り取って作れるものではなく、ジャムを仕事にすることは、目に見えない人脈や土地柄など全てがジャムに関わることで、ある意味ハードであり、生きる楽しみでもあり、ジャムを煮る生き方が自分に合うのかと、相性の良い伴侶を見つけるようでもあります。鈴木さんの場合は、生まれ育った環境が現在のジャム作りの環境と近かったそうで、何だか必然的にこの道に導かれたような感じがあります。

作られたジャムは、北海道以外にも卸されているそうです。首都圏で1ビン800円の価格で小売されているというのをどこかのサイトで見ました。なかなか立派なお値段なのですが、小規模でこれだけ手をかけて作れば、そうなるだろうなと思いました。



以下、目次より引用です。


はじめに
北の大地のライフスタイル
ラ・ベル・コンフィチュール・マサコのジャム作りについて
ジャム作りの基本行程 ジャム作りの道具紹介
ジャム作りカレンダー ひとつのジャムができるまで


お家ジャムの作り方

いちごジャム いちごとレモンのジャム あんずとバニラのジャム
リュバーブとオレンジピールのジャム いちごとミント、黒こしょうのジャム
さくらんぼとバラの花びらのジャム 青トマトのジャム
ブルーベリーとレモンのジャム さくらんぼとミントのジャム
黒ぶどうのジャム プルーンとクルミとシナモンのジャム りんごジャム
りんごとキャラメルのジャム りんごのシュトゥルーデル風ジャム
みかんジャム ネーブルオレンジと3種のスパイスのジャム
洋梨とヴァローナチョコレートのジャム 洋梨とキャラメルのジャム
ネーブルオレンジとヴァローナチョコレートのジャム
イチジクと黒砂糖とクルミのジャム


お家ジャムのおいしい食べ方

フルーツのジャム和え/ヨーグルトゼリーのジャム添え りんごジャムの春巻
ジャムで味わうシンプルパンケーキ ジャムとアーモンドのタルト
ジャムプリン パンナコッタのジャム添え ヨーグルトの水切り/チーズクリーム
いちごジャムのかき氷 ジャムのソーダ割り ジャムのラッシー割り
ジャムのホットミルク ジャムホットワイン ハンバーグのジャムソース
鶏肉の照り焼きジャムソース ジャム酢のシーチキンちらし
青トマトと、みかんのジャムのドレッシング


column
ジャムの呼び方について マッカリーナが真狩村での出発点
羊蹄山に抱かれて暮らす 夏の販売会について フランス修行時代
ジャムとパンの組み合わせ

おわりに





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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

コメント

はじめまして

こんにちは。はじめまして。
ランキングを見てあそびにきました。

私も本は沢山買ってしまうのですが、検索して調べているときにもう少し内容がわかればな。。。
と思うことかしばしばあります。

とてもわかりやすいです。
ありがとうございますi-179

gloutonneさん

ご訪問ありがとうございます。

わかりやすいとの言葉をいただけて光栄です。
もう少しわかればな…というのが、私がこのブログを
作ったきっかけの一つでありますので、共感できます。

gloutonneさんのブログを拝見しました。
おいしそうなレストランなど目白押しですね。

私の住んでいるところはド田舎なので、そういったものは
一切無いですが、そのかわり自然でいっぱいです。
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