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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

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Author:oyatsu082

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アジアンブレッド

中東、アフリカ、インドなどのパンが、まとめて取り上げられている、めずらしい本です。

この本によりますと、土造りの窯の内側に、平たく延ばした無発酵の生地を貼り付けて焼くパン作りは、古代メソポタミア(今のイラン・イラクあたり)から始まり、エジプトにこの製法が伝わったそうです。エジプトでは、たまたま発酵した生地を焼いてみたらおいしかった…のかきっかけはわかりませんが、発酵パン作り始まりの地と言われています。
この発酵パンがギリシャに伝わり、イースト菌が作り出され、パン職人が現れます。ローマ帝国の時代には量産化、そしてヨーロッパ全土に広がり、イタリア、イギリスでは良質のパンが作られるようになります。そして、この高められた技術は、イタリアからフランスへ、イギリスから新大陸(アメリカ)へと伝えられ、全世界的に普及することになるわけです。

まず、目次引用を見ても、どんなパンなのか分かりにくいと思いますので、なじみの薄そうなものをピックアップして、簡単に内容を書いてみたいと思います。人それぞれイメージが違いますから、本来ならば実物を見るのが手っ取り早いのですが…。


ホブス
中東の平らな丸いパン。具をはさんだり、スープをすくってスプーンがわりにして食べる。全粒粉使用。焼くと空洞ができる。直径は16センチくらい。アライスはホブスの生地に具を包んで焼いたもの。

ホブス バサーリ
玉ねぎ、スパイス、オリーブ油の入った無発酵パン。パウンド型に入れて焼く。

カーク(レバノン、ヨルダン)
手提げバッグのような形をした円形の平焼きパン。やや硬めの食感。

マナキッシュ(レバノン)
タイムなどのハーブとオリーブ油で香り付けをするパン。フォカッチャに近い。ホブスと同じ生地で作っても良い。

ラヴァッシュ(イラン)
大きい草履くらいの大きさがある楕円形の平パン。石窯に貼り付けて焼く。表面に専用の木型で穴を開けるのが本来の製法だが、この本ではフォークでピケして作っている。

ホブス エルサラーフ(中東)
カレーのような香りのある、そのまま食べてもおいしい円形の平焼きパン。香菜やスパイスをすりつぶして作ったペーストを表面に塗って焼き上げる。

ピタ
中東やインドでもよく食べられている平焼きパン。ポケットパンとも呼ばれる。焼くと膨らんで空洞が出来る。鉄板、石窯、直火など土地によって焼き方はさまざま。大きさはいろいろ。この本では強力粉で作っている。

エイシ(エジプト)
丸い平焼きパン。生地は非常に柔らかく、全粒粉を打ち粉にして手で引っ張って成形する。全粒粉の挽き具合や、精白した小麦粉を使うなどで、バリエーションがある。エイシの生地に、炒めた挽肉などの具をはさんで焼いたものをハワウシ、ピザのように具をトッピングしたものはフィティール。

エキメッキ(トルコ)
トルコにおける、パンの総称がエキメッキ。最も伝統的なものは、中が空洞に焼きあがるもの。この本では強力粉に少し薄力粉を混ぜて生地を作る。フランスパン風エキメッキは、文字通りフランスパン風のリーンなパンで、なまこ型に成形したものにクープを入れて作るのだが、気泡はそれほど粗くない。

ピデ(トルコ)
トルコ風のピザ。舟形に成形する。

シミット(トルコ)
パン生地を2本、ねじって縄のようにしたら、リング状に繋げて成形するパン。ベンチタイムと成形発酵のみで作り、シコシコとした食感を楽しむ。

ナン(インド)
無発酵の平パン。タンドールという円筒状の土窯の内側に貼り付けて焼く。カレーをすくって食べる。カプリ ナンは、ナンの生地にくるみとレーズンを混ぜたもので、そのまま食べてもおいしいパン。

チャパティ(インド)
全粒粉、塩、水をこねて作る無発酵平パン。食べる直前に焼く。フライパンで軽く火を通してから焼き網に移して炙ると、膨らんで空洞ができる。チャパティの生地を油で揚げるとプーリ、チャパティの生地2枚でドライカレーのような具をはさみ、フライパンで両面を焼くと、キーマ パロータになる。


こういう平焼きパンというのは、厳密な発酵をさせなくても済みますし、成形や丸めのテクニックもあまり必要が無く、気軽に作れますから、自家製酵母などを作りすぎた時の(酵母の香りや風味によっては使いづらいものもありますが)酵母消費メニュー、または風味の劣化が早い全粒粉消化メニューとしても作ってみたいです。一応粉の配合はありますが、ヨーロッパのパンに比べるとあんまり気にしなくても出来そうです。現地メニューのカレーを付けたり、豆のペーストなどを具として詰めたり、この本に取り上げられている料理を作って食べるがいいのはもちろんですが、温野菜のサラダ、ブランダード、バジルのペースト、プルコギ、和え物など、合いそうなものがいろいろありそうだなと思いました。個人的にはドトールコーヒーのメニューにある『ミラノサンド』の具のようなものを詰めたりしてみたいです。

ちなみに、この本はマイライフシリーズの『エキゾチックなパン』を再編集したものだそうなので(実物を確かめたわけではないので、全く同じかはわかりませんが)、どちらを買っても内容は同じのようです。

※2011.02.11補足
『エキゾチックなパン』は全80ページ、『アジアンブレッド』は全64ページの本であることを見ると、どうやらアフリカ方面のパンおよび料理が若干省略されているようです。ただ、16ページ分が丸々省略されているとは考えにくく、ページレイアウトが工夫されて、内容がコンパクトに詰まっているとは思われますが。目にする機会に恵まれましたら、補足したいと思います。



以下、目次より引用です。


パンのはじまりはメソポタミアから
パン作りのポイント

○中東 シリア、イスラエル、レバノン、ヨルダン、イラン、エジプトなど
ホブス/ホブス バサーリ
アライス カーク マナキッシュ マナキッシュ(全粒粉の生地)
ラヴァッシュ  ホブス エルサラーフ
ピタ
・パンに添えた料理 シシケバブ(角切り肉の串焼)
ベーグル
エイシ/エイシ パラディ/エイシ シャーミー
パンに添えた料理 タヒーナ(ごまのペースト)3種  フラーク
 マシュウィ(鶏のロースト)
ハワウシ フィティール

中東のパンといただく料理
フール(干しそら豆のペースト)2種
鶏肉と豆の煮込み/鶏肉とオクラのトマト煮
パトルジャン ソウシュ(なすの冷麺)/サマク マハシィ(魚のスパイス風味焼き)
コフタ(ひき肉団子の串焼き)野菜サラダ


○西アジア トルコ
エキメッキ(ごま入り)/エキメッキ(ナッツ入り)/エキメッキ(スパイス入り)
・パンに添えた料理 エズメ サラタス(野菜の辛いサラダ)
 パトルジャン サラタス(なすのサラダ)
ピデ
シミット/シミット(にんじん入りの生地) フランスパン風エキメッキ

トルコのパンといただく料理
パトルジャン ムサカ(なすとひき肉、トマトのグラタン)
メネメン(トルコ風スクランブルエッグ)/
フルンダ ユルムタ(トマトの中の目玉焼き)
カリデス ウズカラ(えびの塩焼き) 
カルナバハル チョルパス(カリフラワーのスープ)/
ドマテス チョルパス(トマトスープ)


○南アジア  インド
ナン/カプリ ナン
・パンに添えた料理
カチュンバー(野菜の角切りサラダ) カルダモン入りミルクティー
チャパティ  キーマ パロータ/プーリ

インドのパンといただく料理
ダール マサラ(レンズ豆のカレー)/パラック カリー(ほうれん草のカレー)
えびカレー ジャガイモのサブジ/
ケレ キ ライタ(バナナのヨーグルトあえ)


○東アジア  中国
葱油餅/葱油餅(干しえび入り)/焼餅
花捲
・パンに添えた料理
(砂肝のしょうゆ煮) (具だくさんのとろみスープ)


本書で使った粉類、スパイス


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