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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

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Author:oyatsu082

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美味しく飾って大人の焼き菓子

家庭で作っているいつもの焼き菓子を、もう一歩踏み込んで、少し凝っていて洗練されたものにグレードアップするために、仕上げ方や型選びの他、ラッピングも含めて書かれている本です。フルーツは生のものをソテーした後に焼きこむかドライフルーツを利用してありますので、基本的に(お菓子の種類にもよりますが)日持ちします。豪華というよりは落ち着いた見た目で、こんがり焼き色のついたお菓子です。

クッキーについては形が繊細なものは少なく、持ち運んだ時に崩れにくそうです。加藤千恵さんの『贈るお菓子』に載っているような、マーガレットの型で抜いてアイシングしたロマンチックな雰囲気のクッキーだと崩れやすそうですし、贈る相手を選ぶような感じになります。が、この本に載っているものは、男性が受け取っても気恥ずかしくない感じです。

一通り見ていると、焼き色こそが最大にして最高のデコレーションのような気がしてきました。濃い茶色でキャラメルのテリもあるような焼き色で焼くには、本には載っていませんが、オーブンの選択がまず鍵です。私の持っている年式の古い小型オーブン(上火ヒーターのみ)では一気に加熱できませんし、余熱したときの蓄熱にも余力が無いので、扉を開閉した時の温度変化が物凄い。まずは市販されている家庭用オーブンでも、なるべく大きいものが欲しいです。

アンビベに使う洋酒はシロップで割らないのがおしゃれで保存性が上がる、カカオニブを入れたほろ苦さのあるサブレ…など、本の題名の通りに大人向けの味つけです。しかし、例えばの話ですが、「サブレの中にラベンダー」「チョコレートにアニス」といったような、癖があり好き嫌いが出やすいものは選択されていませんから、使いやすいレシピです。欲を言えば、大人っぽい味つけばかりではなく、(小嶋ルミさんのシュークリームや津田陽子さんのフロールのように)基本材料で作れて大人も子どもも食べられる、そして、うなってしまうような何かを感じる味のお菓子もあったらいいなと思いました。更に、そのシンプルな形のお菓子をどんな風にラッピングしたら垢抜けるのかという事ももプラスでお願いしたいです。しかし、副題が「もう焼きっぱなしは卒業!」なので方向性が違いますかね…。シュークリームは、まんま焼きっぱなしの代表ですし。

後半の方にある塩味の焼き菓子は、市販のパータフィロやパイシートを使うようになっています。楽天ブックスのレビューにもありましたが、私も「ここでなぜ市販なんだ?本格的な焼き菓子本なら、パートフィユテとか作らないのか?」と疑問符が付きました。でも、気楽なオードブルやブランチなどを用意するのがテーマとのことで採用されているようです。確かに料理も作らねばならないのに、ワインのおつまみだけに何時間もかけられない心情はわかります。

おもてなしの半生菓子は、日持ちのするガナッシュやバタークリームを使ったケーキが主で、3品に、18センチの長さのとい型(幅はレシピによる使い分けがあります)を使っています。光沢のあるガナッシュやクラクランで上品な雰囲気です。

ここまで書いてきて実際のところ、こういう少し凝ったお菓子というのは、お菓子作りに少し慣れてきたならば、一人の著者のスタイルをずっと見まくるのではなく、多くの作り手を見て、自分のアンテナに引っかかったものを選択するのが楽しいんじゃないかと思いました。つまり、自分なりの「大人の焼き菓子」を作り出したり、レシピを集めたりする楽しみには負ける気がします。また、伝統的なスタイルからどの位ずらしてあるかがセンスの見せ所でもありますので、基本的な形状を知っておいた上でこの本の雰囲気を感じ取らないと、どのあたりがおしゃれポイントなのか分かり辛いです。例えば、オレンジやリンゴのタルトで使うスライスしたフルーツについては、フランスでポピュラーな並べ方があるそうですので。基本的なものとの対比で、時折before→afterみたいな見せ方があっても、一つのお菓子を解剖するようで面白かったかも知れません。

何となく注文が多い記事の内容になってしまいました。でも、型の下準備からお手入れ方法、生地の冷凍保存、送る時の梱包のポイントなど、必要な情報は殆ど整理されていますので、1冊でだいたい間に合います。

ところで、今年の2月に『焼き菓子の食感テクニック』という新刊が出ているのですが…、
こちらも少し気になっています。



以下、目次より引用です。


基本① 焼き上がりは五感を使って確認する
基本② 美味しく飾る仕上げのテクニック
基本③ 型を変えて形と食感の違いを楽しむ

1 ティータイムのケーク
黒糖ラムレーズンケーク ケーク・マロン ケーク・ア・ラ・メゾン
エコセ・オランジュ 柚子のウィッケン

2 とっておきのタルトとガレット
タルト・オランジュ タルト・ポンム ガレット・オ・プリュノー
ハル アマンディーヌ、ピニョン、フィグカシス ノワゼッティーヌ

3 パティスリー仕立てのクッキー
ディアマン、マカデミア・リュンヌ サブレ・カカオ
マルブル、ルーロー ヴァーグ、シトロン
サブレ・カフェ、ピーカン・カフェ
フロランタン・オランジュ
サクリスタン、サクリスタン・ショコラ

4 貴婦人の小菓子、プティ・フール
アマンド、プランセス タルト・ショコラ 
マドレーヌ・カフェ、マドレーヌ・ジャンジャンブル、リーフパイ
ノワゼット、コルネ

5 ノエルの焼き菓子
ノエル・クグロフ クリスマスクッキー ヘキセンハウス

6 お酒に合う塩味の焼き菓子
黒米とエリンギのキッシュ 
トリアングル・フィロ タルトレット・フィロ
パルミエ・サレ

7 おもてなしの半生菓子
レザン・スイス ニナス レオネ・ダコタ デルフィニ


Column
①焼き型の準備はしっかりと!
②焼き菓子の冷凍保存
③梱包のポイント
④ラッピング材料のミニ知識

あとがき
この本で使用した材料・器具のおもな販売店


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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

お菓子まるごと大全集

この本は、何品か作ってみましたが、少し空振りしてしまいました。
テキストを買ってから、数年作らずに置いたままにしておいたので、その頃には小嶋ルミさんの初期の本が出版されていました。そして、ルミさんのものを先に作って食べてしまうと、加藤さんのお菓子は、良く言えば「優しい味」、悪く言ってしまうと「少しピントがぼやけた味」に感じてしまいました。しかし、家庭で普通においしく食べられれば…という目的には、使いやすくわかりやすい本だと思います。

作り方のテクニックや配合などは、他の本に比べますと、シビアにやらなくても失敗しにくいようになっていると思いました。また、加藤さんのお菓子教室のカリキュラムの一部がいい塩梅に選ばれています。基礎内容がフルで載っている講談社『加藤千恵のお菓子教室』だとボリュームがありすぎると感じる人や、別の路線でお菓子を作っている人がちょっとだけ試しに作ってみるのにも都合がいいです。加藤さんのお菓子の概要をコンパクトに知ることのできる1冊になっていて、あまり本に予算をかけたくない、とりあえず1冊だけ欲しいということであれば、この本はお手ごろです。

NHKの番組テキストですから、放送を見ながらテキストを見るのが理想ですが、工程写真がそこそこあり、本だけが頼りでもあまり不足はありません。この本をまずおさらいすると、工程写真の少ない雄鶏社さんから出ている本なども作りやすくなるでしょう。

パリ・ブレストにしてもタルトにしても、家庭用に手間を簡略化してあり、かつての日本人が抵抗無く食べられる食感(今の人の好みは、本場に近い本格的な味が充分に普及していて、ちょっと違うように思われましたので「かつて」と書いてみました)の傾向があるので、本格的なフランス菓子に仕立て上げたい場合は、最初から別の本を見たほうがいいです。例えば、マドレーヌはレモンの香りのするふわっと軽いタイプです。フランス人が作るようなみっしりとした食感で焼き色がばっちり香ばしいものとは違います。タルトはクレーム・ダマンドを仕込みません。カスタードクリームにフレッシュフルーツを載せてお手軽に作れるタイプで、カスタードクリームの湿気避けに卵を塗って乾かすなどの手順もありません。あくまでも気軽に楽しめる入門編的な内容です。とはいえ、気軽だからと言って丁寧に作らなくてもいいということとイコールではありませんが。


最後のページは卒業制作のウェディングケーキです。平たく四角形に大きく形作られています。余談ですが、私は、このケーキを食べたことがあります。

以前、とある結婚式に出席したときのこと。披露宴も後半に入った頃、会場の皆にケーキが一切れ配られました。新婦友人が作って持参してきたというそれは、小さくダイス状にカットされたキウイや桃がサンドされ、表面に白いクリームがナッペされていました。口に運ぶと、さっぱりとした口当たりで、キルシュワッサーのようないい香り。もう一切れ食べてみたいな…と思いました。しかし、そこは結婚式、おかわりはできなかったです。

そして数年後のある日、家の本棚からこの本を取り出しパラリと立ち読みしていたら、なんだか見覚えのある色合い…と何かがひっかかりました。よくよくレシピを見ると、あの結婚式で食べたケーキの材料と出来栄えがほぼ同じだとわかりました。
あの本のレシピだ!とわかることなんて本当にあるものなんですね。

仕上げから会場搬入までの手間を考えますと、やりがいと共に大変さもあっただろうと、ここでようやく察しがつきました。市販品ではないものを、こんな形で頂けたとはラッキーだったなあと思いました。



以下、目次より引用です。※放送日情報は省略しました

第1回 いちごのロールケーキ
応用 洋梨入り紅茶のロールケーキ

第2回 バナナケーキ
応用 フルーツケーキ

第3回 クリームチーズケーキ
応用 かぼちゃのチーズケーキ

第4回 マドレーヌ
応用 チョコレートとキャラメルのケーキ

第5回 フルーツタルト
応用 オレンジタルト
応用 クッキー

第6回 シフォンケーキ
応用 コーヒーシフォンケーキ

第7回 抹茶のババロア
応用 キャラメルのババロア

第8回 スフレ・オ・ショコラ
応用 バナナとオレンジのケーキ

第9回 シュークリーム
応用 スワン/バスケット
応用 パリ・ブレスト

第10回 洋梨のパイ
応用 リンゴジャムのパイ

第11回 グレープフルーツのショートケーキ
応用 ハーブケーキ

第12回 ウェディングケーキ
応用 記念日のケーキ

第13回 アフタヌーンティーパーティー
おすすめ簡単ケーキ スコーン
おすすめ簡単ケーキ ブルーベリーマフィン


はじめに
お菓子作りの道具 お菓子作りの材料
ティータイム 紅茶の魅力

○お菓子の歴史 吉田菊次郎
スポンジケーキの誕生~お菓子の歴史を変えたもの
パウンドケーキ~英国発のお菓子とその由来
チーズケーキ~世界のお菓子の最古参?
マドレーヌ~数々のエピソード
タルト~それはお菓子の原点
シフォンケーキ~お菓子の流行
ババロア~昔は甘くて固かった?
チョコレート~チョコレートの歩み
シュークリーム~その形ができるまで
パイ~その始まりはシッパイから?
ショートケーキ~日本生まれのお菓子の不思議



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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

お菓子とケーキ おいしい生地の基本

レシピ数は他の本に比べますと少ないですが、解説や写真がたっぷりで詳しく、一つの一つを丁寧にじっくり作れるお菓子本です。生地ごとの冒頭に製菓理論が適切な内容で説明され、デコレーションなどはシンプルで、ぱっと見は華やかではないですが、良いお菓子が選ばれていると思います。

例えるなら、柴田書店さんの『お菓子こつの科学』という本がお菓子レシピと合体したような感じです。相原一吉さんの『お菓子作りのなぜ?がわかる本』よりも家庭的でなく、ちょっとした贈り物にも出来うるお菓子が揃っています。用意する材料もそれほど込み入っていません。使っている卵のサイズがL玉を基準としていますので、M玉をよくお使いになる方は、多少レシピを換算しなおす必要が出てくると思います。(面倒でもL玉で作ればいいんですけれども。)

家庭向けの教科書本はいろいろ読みましたが、私としては一押しです。書店で見ると本のデザインが地味目で、フランス菓子のみの入門書とはちょっと違ったお菓子がチョイスされているので好き嫌いはありそうですが、最初からそれなりのレベルのお菓子が作りたいなら、この本から入るのがいいのではと思いました。ちょっとした気をつけるポイントなど、難しすぎず、易しすぎず、いい塩梅に必要なことがまとまっています。そしてこれが1470円で買えるとはお買い得です。柴田書店さんや文化出版局さんだったら、もっと高いものになっていた筈です。

とはいえ、まるっきりの初心者では難しく、少しはお菓子作りをしたことのある人が、更に上達を求めてという段階で使うと生きる内容かなと思います。デコレーションの説明などさほど詳しくない項目もありますから、別の本で少し補足が必要でしょう。更に上を目指す方は、パティシエさんの出しているお店売りのレシピ本や世界文化社の『一流シェフ』シリーズ位のものに直接当たりたいでしょうし、理論書もかなり持っているでしょうから少し物足りなく感じると思います。

基本といいながらも、他の基本書には出てこない「さかさま折りパイ生地」や「フラワーバッター法」によるパウンドケーキが取り上げられているところが面白いです。「フラワーバッター法」があることは載っている本があるので知識として知ってはいましたが、実際にレシピがあり、作っているのは初めて見ました。「シュガーバッター法」と焼き上がりを比べた写真もあって参考になります。あと、桃を大ぶりに切って表面にデコレーションするパイ、こういうみずみずしい果物を率直に味わえるパイは、ここのところ焼き菓子(粉モノ中心のお菓子)の書籍が目立って多い気がするので、あまり見かけなくなったなあと思いました。

意外なのは、シフォンケーキが取り上げられていることです。ウィーン菓子店主の横溝春雄さんの本だけに、頭の片隅にすらなかったです。オリーブオイルと、紅花油を使ったものとで合計2品が紹介されています。非常にきめ細かくて焼き縮みのない生地に仕上がっており、これは一度作ってみたいです。が、工程だけ見ていると、弓田亨さんには美味しくない生地と言われてしまいそうです…。

小嶋ルミさんがかつて横溝さんに師事していたせいか、ところどころ出来上がった雰囲気や手順に小嶋さんのレシピと似たものを感じます。しかし、冒頭のショートケーキに使うスポンジケーキは、バターが多めで牛乳などの水分は入らない配合なので、混ぜる回数が他の本に比べると少なめのようです。小嶋さんのスポンジのようにきめ細かい泡を作って100回混ぜるといったものとは全く別物です。これはこれ、それはそれ、で、生地の状態を見ながら適正なものをテンポ良く作る必要があるなと思いました。溶かしバターがたくさん入るだけに湯煎温度も高めで、藤野真紀子さんの作る少しリッチなスポンジに近いです。

また、『NHKお菓子大百科』でも紹介されていたウィーン風チョコレートケーキが、この本にも更に詳しく、ショコラーデンオーバーストルテとして紹介されており嬉しかったです。スポンジに打つ紅茶シロップは、NHK版だと少しグラニュー糖の量が多いです。ブランデーが入る分だけ少し甘みを効かせているのだろうと思いました。本書ではブランデーなしです。このお菓子は、一番古い書籍である中央公論社から出ている『ウィーン菓子』では、紅茶は抜きでラム酒を使ってあり、徐々にレシピが変遷しているのが興味深いです。

2000年代における家庭でのお菓子作りは、小嶋ルミさんがぶっちぎりの人気だったと思うのですが、ここのところ、お菓子の本をあまり出していなかった重鎮の皆さんが少しずつ新刊を出しておられるので、これまた嬉しいです。今回の本とは別に『リリエンベルグのコンフィチュール』という本にも興味があります。




以下、目次より引用です。


生地を作る4つの基本材料 基本の生地の種類 生地作りに使う主な道具
焼きたての生地は格別の味!生地作りの5つのポイント

○Part1 スポンジ生地
・共立て法で作る  ショートケーキ 黒い森のケーキ
・別立て法で作る  ロールケーキ ショコラ―デンオーバストルテ
・別立て法の軽い生地  オリーブ油のシフォンケーキ パッションのシフォンケーキ

スポンジ生地Q&A
生地に合うクリーム  クレームシャンティ(生クリーム)
生地に合うクリーム  クレームパティシエール(カスタードクリーム)


○Part2 バターケーキの生地
・シュガーバッター法の共立て法で作る  フルーツケーキ
・シュガーバッター法の別立て法で作る  日向夏のパウンドケーキ
・フラワーバッター法で作る  新しょうがのパウンドケーキ

バターケーキの生地Q&A


○Part3 タルト生地
・パートサブレで作る  エンガディナートルテ
・パートブリゼで作る  いちじくのタルト


○Part4 パイ生地
・折り込みパイ生地で作る  ハートの桃のパイ マンゴーのパイ
・逆さ折り込みパイ生地で作る  ミルフィーユ サクリスタン
・速成折り込みパイ生地で作る  スティックパイ

タルト生地&パイ生地Q&A
タルト生地・パイ生地作りでよく使う道具


○Part5 シュー生地
・シュー生地で作る  シュークリーム リングシュー ハリネズミシュー
・メレンゲ生地で作る  ダックワーズ

シュー生地Q&A


○Part6 チーズケーキの生地 
・マスカルポーネチーズで作る  スフレチーズケーキ
・クリームチーズで作る  ベイクドチーズケーキ
・クリームチーズ&卵黄で作る  ソレイユ(レアチーズケーキ)


○Part7 クッキー生地 
・基本のクッキー3種  絞り出しクッキー 型抜きクッキー アイスボックスクッキー
・サブレ生地で作る  ガレットブルトン
・発酵バター&卵黄で作る  サブレーノルマンド


索引

テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

お菓子大百科Ⅰ焼き菓子とケーキ編

1冊の中に、お菓子を作るのに必要な情報とレシピが、コンパクトに詰まってまとまっています。お菓子をこれから作りたい初心者、あまりお菓子の本は揃えたくないが時々は作りたいから、一通りいろいろなケーキが作れるようにしておきたいホームメイド派の要求を充分に満たせる内容です。講師陣は、出版年度が古いこともあり、今では大御所になっている方々ばかりで新進気鋭というわけではありませんが、家庭で作りやすいレシピが揃っています。全体的に、加藤千恵さんと専門学校の三浦秀一さんが講師を務めている項目が多いです。加藤さんのお菓子を中心に、他の作り手のレシピも少しは欲しい方にもお勧めできます。

私は、パン作りの方に夢中になっていてお菓子にはあまり興味が無かった頃に、一通り作れるものをとりあえず欲しいということで、この本を手に入れました。型紙の敷きかた、麺棒の使い方、ナッペの仕方、などなど、技術的なことがPART1に詳しく紹介されていて、項目によっては、下手すると辻調の基礎本よりわかりやすかったりしますので、あなどれません。PART12には製菓材料についての解説もざっくりとあり、大まかにたいていのことはわかるようになっています。

レシピについては、何点か作りました。料理研究家、お菓子研究家、パティシエ、専門学校の講師のものといろいろあるのですが、お気に入りのレシピになったのが、パティシエ、専門学校の講師のレシピでした。横溝春雄さんの『ウィーン風チョコレートケーキ』、佐野靖夫さん『マロンケーキ』です。研究家さんのレシピは、他にも本が出版されていて、そちらでも読めるということで新鮮味が無かったこともありましたが、パティシエのレシピはひと味違って良かったです。あと、アメリカンスイーツの範疇になるマフィンなどは、できれば藤野真紀子さんのレシピが良かったなあ…と、ちょっとだけ思いました。

お菓子のカテゴリー毎に、まずは詳しい作り方の説明があるのはありがたいです。しかし、さまざまな作り手のレシピが収録されていることで、同じカテゴリーでも、配合や解釈の違いがあり、作りやすそうなのも、作りにくそうなのもあります。ちょっとしたコツの説明がないから失敗しやすいかもな…という危惧はあります。それでも、1冊1500円の本としては、レシピ数が豊富なのでお得感がかなりあります。「無難・広く浅く・てんこ盛り・安い・講師陣が大物」がNHKクオリティで、さすがだと思います。他の出版社が同じことをしようとしたら、相当高くついてしまう本になると思われます。

しかし、製菓材料や道具のメーカー名を避けるようにラベルをはがしたり、巧妙にカメラアングルを決めて撮影しているところもNHKクオリティなのは、少し残念に思うところです。公共放送だから仕方ないのですが、材料の良し悪しや、おすすめの道具メーカーは、お菓子のできばえを左右しますから、知りたいところです。ここは自助努力でリサーチする必要があります。



以下、目次より引用です。

PART1 お菓子作りのベーシックテクニック
準備 型・天板の準備 泡立てる 生地をのばす 粉を混ぜる
バターをすり混ぜる 基本のクリーム アイシング
絞り袋の扱い方 コルネのつくり方 ケーキの仕上げ

PART2 はじめてのお菓子
ドロップクッキー ごまクッキー 紅茶クッキー
アーモンドクッキー カップケーキ オレンジカップケーキ
レーズンカップケーキ ビクトリアサンドケーキ

PART3 バターケーキ
パウンドケーキ ミニパウンドケーキ くるみ入りクグロフ
マーブルパウンドケーキ ドライフルーツ入りパウンドケーキ
オレンジケーキ 手づくりオレンジピール スパイシーケーキ
クリームチーズ&チョコのカップケーキ 干しいちじくの焼き菓子
くりとプルーンの焼き菓子 マドレーヌ フィナンシェ りんごのマフィン
バナナマフィン ブルーベリーマフィン 紅茶のケーキ
カヌレ・ド・ボルドー バナナケーキ

PART4 スポンジケーキ
別立てのスポンジケーキ サンドケーキ 共立てのスポンジケーキ
ココアスポンジケーキ いちごのショートケーキ ドーム型ショートケーキ
デコレーションケーキ フレッシュフルーツケーキ マロンケーキ
マロンのクレープ包み チョコレートのロールケーキ レモンのロールケーキ
モンブラン ブッセ ガトー・オー・マロン 星の模様のチョコレートケーキ
チョコレートデザート 赤い実のケーキ 赤い実のホワイトロールケーキ

PART5 シフォンケーキ
シフォンケーキ マーブルシフォンケーキ 紅茶のシフォンケーキ
バナナのシフォンケーキ デコレーションシフォンケーキ

PART6 チーズケーキ
ベイクドチーズケーキ レアチーズケーキ スフレチーズケーキ
コーヒーマーブルチーズケーキ ハートクリーム
フロマージュブランのフルーツデザート 黄桃のチーズケーキ
ティラミス ミニティラミス

PART7 チョコレートのお菓子
ブラウニー ガトーショコラ ガナッシュチョコレート 
アソートチョコレート 
(アマンド・ショコラテ 木の葉 マンディアン マルタ
いろいろカップ くりぬきハート)
チョコレートボンボン オレンジ風味のチョコレートケーキ
プティオレンジチョコレートケーキ ウィーン風チョコレートケーキ
ハート形のチョコレートケーキ

PART8 クッキー&ビスケット
アイスボックスクッキー マーブルクッキー アーモンド入りココアクッキー
絞り出しクッキー ジャムサンドクッキー 
アメリカンクッキー
(チョコチップクッキー ピーナツバタークッキー くるみ入りココアクッキー
ぺカンナッツクッキー)
ハーブクッキー3種
(ミントクッキー カモミールクッキー ローズマリークッキー)
レーズンサンドクッキー オートミールビスケット ショートブレッド
ローズマリーショートブレッド アーモンドビスコッティ
クレセントクッキー ポルボローネ ラング・ド・シャ スノーボール
アプリコットのスクエアクッキー アーモンドノチュイール

PART9 シューのお菓子
シュークリーム グージェール エクレア ペ・ド・ノンヌ
パリブレスト ミニリングシュー

PART10 パイ
練りパイ生地のスティックパイ 速成折りパイ生地のリーフパイ
折りパイ生地 アップルパイ チェリーパイ マロンパイ
ガレット・デ・ロワ パンプキンパイ レモンパイ
ミルフィーユ いちごアイスクリーム

PART11 タルト
アーモンドタルト サブレ いちごのタルト 洋なしのタルトレット
ガナッシュのタルトレット パイナップルのタルト アプリコットクラフティー
バナナのタルト りんごのタルト フレッシュフルーツのタルト
フレッシュフルーツのタルトレット

PART12 
材料 道具図鑑
お菓子の基礎用語
INDEX
エネルギー別INDEX
材料別INDEX



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

ちゃんと作れるスイーツ

作るということに関してしっかり説明されていて、おすすめです。
プロセス写真と解説がとても丁寧な本です。なぜこの作業をしなければいけないのかなど細かく書いてあり、納得しながら作り進めることができます。初心者でも作れると思いますが、少しステップアップしたい時に手にする位がちょうどいい本かなと思いました。レシピが満遍なく選ばれていて、焼き菓子から冷たい飲み物やデザート類までだいたい間に合います。

単行本とマガジンハウスムック仕様の違いは、数点の新作レシピがあるか否かで内容は同じです。作ることを中心に考えれば、ムックの方が約半額で断然お買い得ですし、中古ならもっと安いです。
(というか、ムックの中古価格の安さといったら情報量に反して信じられない位です。辻口さんファンであれば、もちろん単行本の方が良いでしょう。)

小嶋ルミさんのレシピ本と比べると、混ぜ方や泡立て方の説明がちょっと弱いですが、それ以外は引けをとらない位親切な本ではあります。しかし、若干手に入りにくい材料を使ったり、デコレーションが少し施されていたりして微妙に敷居の高さ感があるのは否めないのと、レシピのバリエーションに教科書的なニュアンスがあるので、これ作ってみたい!という気持ちを揺さぶるようなお菓子がぱっと見はちょっと少なめです。

ユーザーにとって、もしも敷居が高くなるのであれば、世界文化社の分厚いケーキの本や一流シェフのとっておきシリーズ、柴田書店さんの専門書あたりに流れそうです。本当にケーキを作るのが好きな人だと、この位は平気で買うでしょう。一方で、家庭で揃えやすい材料と基本技術でプロ並に生地がおいしいシンプルなケーキを作ろうとすれば小嶋ルミさんに落ち着く人が多いと思います。
というわけで、この本は、2者のちょうど境界くらいに位置する印象があります。

この本で私が作ってみたいお菓子はチーズケーキ類、セミドライイチジクを使った焼き菓子です。
特にレアタイプのチーズケーキは、チーズより生クリームの配合が多めで砂糖がほんの少ししか入らず、ゴールデンパインの甘さと酸っぱさで食べさせるもので、軽くておいしそうです。
イチジクについては、マジパン、メープルシュガー、トレモリンを配合したしっとりとした生地に、セミドライイチジクをマリネしたものを混ぜ込んだイチジクのパウンドケーキがあり、深い味わいが楽しめそうです。あとは、フィナンシェの生地を型に流し込み、カットしたセミドライイチヂクを埋め込んだギュイエンヌというお菓子があります。



以下、目次より引用です。


○基本の作り方
[スポンジ生地]イチゴのショートケーキ [パイ生地]リーフパイ
[タルト生地]チーズタルト [クレーム・ダマンド]プラムの焼き菓子
[シュー生地]かわらシュー [カスタードクリーム]フルーツのタルト
[バタークリーム]ダッコワーズのクリームサンド
[イタリアンメレンゲ]フルーツのグラタン フルーツのスープ
[デザートソース]アイスクリームのアシェット
[チョコのテンパリング]フルーツのチョコがけ

ビュッシュ・ド・ノエル シフォンケーキ クラシックショコラ
生チョコレート バナナのクラフティ チーズスフレ フランボワーズのスフレ
ゴールデンパインのクリームチーズケーキ タルト・タタン
イチジクのパウンドケーキ パイナップルとバナナのフィロ巻き 
スイートポテト 栗のタルト ビスキュイ・キュイエール
ショウガ風味のチョコレートタルト ゴマとオレンジのダンテル
厚焼きクッキー(管理人注=ガレット・ブルトンヌです。) チュイル
マドレーヌ ダッコワーズ アニスのパウンド ギュイエンヌ

清見オレンジのクレームブリュレ 
ミントのクレームブリュレ・チョコレートクリーム添え プリン
アーモンドとココナッツのブラマンジェ イチゴのムース
キャラメルのババロア パルフェ
ソース・エキゾチックのジュレとココナッツムースのアシェット
オレンジと青リンゴのジュレ 赤ワインと白ワインのジュレ
シャンパンのジュレ コンポートとグラニテ バナナのフランベ
ミルクのジャム フランボワーズのジャム クレープ パン・デピス
野菜のキッシュ あんのフィロ包み・ミント風味 

ティータイムのドリンク
ハーブルフルーツティー クレーム・バニーユ エキゾティック
アルザス・フランボワーズ プラリネ・キャフェ ショコラ・フロア

ボクがケーキ屋さんになったわけ。 プロフィール
愛しき『モンサンクレール』と仲間たち。
これだけは揃えておきたい、お菓子作りに必要な道具。
ムッシュ・ツジグチの長い一日。 経営者として、パティシエとして、創作者として。
30年後にボクは……。





テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

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