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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

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りんごのお菓子

りんごを使った25のお菓子が載っています。

フランスのりんご菓子が中心です。著者の山本次夫さんがスイスやカナダで修行している経歴があり、スイス、カナダのレシピが少し、日本風にアレンジしたショートケーキなどがユニークです。

全体的に、キャリアの中で山本さんが家庭向けに紹介したい「りんごのお菓子」であって、各国の代表的なりんごのお菓子が取り上げられているわけでは無いようです。パティシエさんの書く本だから世界の様々なりんご菓子が楽しめるのでは?という期待があると、少しマイナスイメージになるかも知れません。りんごにとっては、25のレシピという数の設定自体が少な過ぎるんじゃないでしょうか。
本を作る企画段階での制約があるのだと思いますが…。

欲しいレシピや作ってみたいレシピはあります。しかし、本の半分くらいを占めるフランスのりんご菓子は、フランス菓子の本を数冊持っていると集まってくるラインナップであり、いまいちグッと来ないです。他には、オーストリアのお菓子について、リンツァトルテのラズベリージャムの部分をリンゴにアレンジしたものがレシピになっています。私はアプフェルシュトゥルーデルのイメージが強くて、あれ?と思いました。

アメリカのアップルパイは、ショートニング生地ではなく、発酵バターの生地です。お菓子としての美味しさはありますが、本場の家庭菓子という点では、何か物足りなさがあります。そして、ドイツにはりんごのお菓子がいろいろあるのですが、一つも紹介されていないです。

こうやって書いてはいますが、パティシエさんが家庭用に書き下ろしているレシピですから、きちんと作れば美味しく出来上がると思います。りんごのお菓子をレパートリーとして加えたい人に1冊あっても良いんじゃないかと思います。難しかったり凝ったりしたものではなくあくまでも郷土菓子、地方菓子的な、温かみのあるものばかりです。工程写真や図解は非常に少ないですが、フランス菓子の基本的なことに取り組んだことがあれば、作れるレシピ集です。

材料として使っているりんごの種類は、半分くらいのレシピは紅玉で、甘み、歯ざわり、煮崩れにくさ、色合いなどを生かしていると思われるレシピにはふじや青りんごが出てきます。中でも、カナダで作られている、りんごのピッツァやグラタンは、他の書籍では見たことが無いし、簡単そうなので是非作ってみたい一品です。


話は変わって、こちらの本では、タルトタタンにふじを使ってあります。それで、ふと思い出したことが。
かつてタルトタタンを某レシピを元に紅玉で作った時のことです。カラメルを結構濃い目に焦がしたせいかも知れないのと(でも黒焦げではありません。本の通りの色味まで焦がしました)、元々のりんごの酸味が強めで甘味が殆ど無かったのが重なって、カラメルとりんごを合わせて煮たところ、出来上がりは甘味が殆どなく、ほろ苦さと酸っぱさだけで食したことがあり、かなり萎えた記憶があります。元々こういう味なのかな?と気を取り直してみても、食べ進まず。で、りんごを大量に無駄にしたショック(笑)で、それきり全然作っていません。

後に小嶋ルミさんのタルトタタンを見ましたら、カラメル以外にグラニュー糖を紅玉に直接振りかけていました。河田勝彦さんのもグラニュー糖を振りかけ。他にも遠藤正俊さんのタルトの本を見ましたら、こちらはふじを使ってありました。カラメルのみで煮るよりは甘味を足すか、あるいは元々甘めのふじを使った方が食べやすいということなのでしょうか。良い紅玉が手に入らなかったら、無理せずに美味しいふじで作った方が良さそうだなと思いました。ふじなら手に入りやすいですしね。アーモンドクリームなんかを下に敷くタルトだったら、紅玉とで甘さとバランスが取れるし、好きな味なので何回か作りましたが、ハズレのりんごだと、タルトタタンは結構悲惨です。煮る前にりんごを味見!がひとつ教訓となりました。リベンジを果たしたいです。



以下、目次より引用です。


りんごのお話
りんごの種類


French
○ノルマンディ
ノルマンディ風りんごタルト
(基本のパート・ブリゼの作り方 アーモンドクリーム りんごのピュレ)
インスタントりんごのタルト クレープ・ノルマンディ
りんごのミルフィーユ
(基本のパート・フィユタージュの作り方 りんごの甘煮)
タルト・タタン

○アルザス
タルト・アルザシエンヌ(基本のパート・シュクレの作り方)
タルト・ペイザンヌ(基本のパータ・タルトの作り方)

○プロヴァンス
りんごのベニエ りんごのコンポート

○パリ
タルト・オ・ポム 焼きりんごパリ風 ショソン・オ・ポム
トランシュ・オ・ポム りんごのパルフェ りんごのスフレ


Swiss
ジュネーブ風りんごのタルト テュルゴビィ風りんごケーキ

Austrian
リンツ風りんごのタルト

Canadian
りんごとチーズのピッツァ りんごのグラタン
 
English
りんごのパウンドケーキ りんごのパンプディング

American
アップルパイ 籠入りりんご りんごのゼリー

Japanese
りんごのショートケーキ


道具について


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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

魅惑のコーヒースイーツ

辻口さんが業者さんと開発したカフェリーヌというコーヒー粉末を使った主にフランス菓子のレシピ集です。
コーヒーを使ったお菓子本は少なく、検索できる単行本は3冊あるようです。この中でパティシエさんが書いた本はこちらのみのようです。

この本が出版された当時2004年ですと、製造元の群馬製粉では、カフェリーヌは2種類の味、モカストロングとエスプレッソだけでしたが、今はキリマンジャロ、モカブレンドが加わり、更に、紅茶ではアールグレイ、柑橘で甘夏パウダーも販売されています。これからも、まだまだラインナップが加わるかも知れませんね。ですので、こちらの内容をそのまま作っても良いのですが、他のパウダーに置き換えるヒント集として使っても面白そうです。

例えば抹茶ですと、焙煎した香ばしさが無いので、ショコラでは単純な置き換えは出来ないと思いますが、いろいろ使い勝手が広がりそうな気がしました。製菓に使える紅茶パウダーは、あまり抵抗なく使えそうです。他社ではありますが、フリーズドライのフルーツを使ったパウダーも、いろいろ種類があるんですね。フルーツパウダー、特にベリー類あたりは、卵黄や小麦粉と出会うとどうしても発色が悪くなり、難しい面が出てきそうですが、パウダーをどのように使ったら楽しめるか、考えるきっかけになるのでは?と思いました。

紹介されているレシピは、作り方の説明はある程度はしてありますが、作り慣れた人向けです。道具もある程度揃っている方がいいです。シリコンで出来たプチフールの型やモールドなど、いろいろ出てきます。しかし、チョコレート細工専門のコームなどを使う場面は出てきませんので、よくよく見てみると、焼き菓子を何回か作ったことがあれば、いろいろ工夫しながら対応できるのではないかと思いました。

また、キャラメリゼしたコーヒー豆にチョコレートをコーティングしてカフェリーヌとココアをまぶして仕上げたり、ガナッシュをそのまま固めるようなものなど、トリュフフォーク1本と流し枠(流し缶などの流用も可)があって、温度管理さえ出来れば、お菓子作り間もない人でも何とかなるものがいくつかあります。デザートや飲みもののページは比較的簡単なものが多く、いちばん手軽なのは表面が泡立ったカフェオレにカフェリーヌをパラリと振るというものです。

ショコラの出来上がり数が30~40個分と、個数がちょっと多めですが、プロのチョコレート本ですと100個分などザラです。バレンタインの時期に出回る研究家さんによる手軽な本に比べれば、やや多めだという程度の量で、家庭向けの本になっていると思います。手間については、わかりやすい(?)ところで言うと、マガジンハウスから出ている辻口さんの本『ちゃんと作れるスイーツ』くらいの大変さといったところです。出来るだけ多くの人にカフェリーヌを使ってみて味わって欲しいということなのでしょう。それでも、万人向けではなく、コーヒーをお菓子に取り入れることに興味を持った人向けの本ではあります。

焼き菓子でのカフェリーヌの使いっぷりは徹底していて、タルト生地にもフィリングにもカフェリーヌ、シュー生地とクレームパティシエールの両方にカフェリーヌ…といった感じです。ティラミスに使うビスキュイに、シロップに、最後に振るココア粉末の代わりにカフェリーヌととにかく使いまくります。カフェリーヌというのは、部分的に使うよりも、どのパーツにも少しずつ使うというのが効果が出やすく、豊かな風味が楽しめるということなのでしょうか。生地に直接入れてコーヒー風味を付け、仕上げでは香り付けに使って、といった感じで。
ついでにリ・ファリーヌもプラスで出てくるレシピもあります。

私は、本には載っていませんが、まずは、作り慣れているものから分量を参考にしながら混ぜてみたいなと思いました。しかし、ショコラや焼き菓子などの香ばしさで威力を発揮するんだろうと感じましたので、焼き菓子のどれかは作ってみたいものです。シンプルな折パイのレシピについては、ここから例えばフロランタン風にカフェリーヌの香りを付けたヌガーを流したりするアレンジなんかも出来そうだな…と、いろいろ想像は膨らみます。



以下、目次より引用です。

今までになかった、純粋な風味をスイーツに
カフェリーヌとの出会い
お菓子を作る前に

第1章 カフェを愛したショコラ
ショコラ・カフェリーヌ パヴェ・ド・カフェ ジャポネ メランジュ
カフェ・エ・リ カフェ・ショコラ キャレ・ショコラ フリュイ・ルージュ

第2章 コーヒー色の焼き菓子たち
キャラメル・カフェ ケーク・カフェリーヌ カフェ・ノワ カフェ・シフォンケーキ
ティラミス カフェ・タルト ピエモン風くるみのタルト タルト・ポワール
バトン・マカロン カフェ・リーフパイ ミルフィーユ ガレット・デ・ロワ
モカ・エクレール

第3章 食後のコーヒーデザート
カフェ・ムース カフェ・プディング クレーム・カフェムース カフェ・クレーム
カフェ・キャンディ カフェ・グラニテ オレンジゼリー アフォガード
ストロベリーカフェ カフェ・オーレ フローズン・カフェ・ココ モンボボ


カフェリーヌとは
お菓子作りの道具
辻口氏の新たな挑戦、和の店「和楽紅屋」

○覚えておきたいお菓子の基本ルセット
テンパリング メレンゲ パートシュクレ 基本のカフェクレーム・パティシエール
フィユタージュ パータシュー イタリアン・メレンゲ


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

お菓子な人生

小嶋ルミさんのレシピ本を手にして作ってみた時をターニングポイントとして、紀元前・後と分けるように表現しますと、ルミさん前に好きだと思っていたお菓子の先生は柳瀬久美子さんです。もちろん、ルミさん後でも好きですけどね。

ルミさんのレシピを作る前は、栗原はるみさん、山本麗子さん、加藤千恵さん、石橋かおりさん、長尾智子さんなど、特別な道具などが無くても作りやすい手順や簡略化したレシピを紹介した先生のものを作って満足していました。柳瀬さんのお菓子は見た目も美しく美味しそうなのですが、高校生の頃からの洋菓子店さんのアルバイトから始まり、勤務に至っているプロ出身の研究家のせいか、タルト生地をプレートの上でこすってなじませたり、絞り袋も使ったり、時にはイタリアンメレンゲも作ったりする本格的なもので、自分にはちょっと手間だし面倒だな…と、著書を数冊は持っていても作らず仕舞いでした。

例えばちょっとしたおやつ本でもこうです。長尾さんが紹介するバナナを1本丸ごと包んだパイのレシピは、バナナの上からそのままパイ生地を巻いて焼くだけになりますが、柳瀬さんの場合は、香り付けの為に、オレンジの皮をピーラーで細長くむいて、バナナに巻きつけてからパイ生地で包むといった塩梅です。まず、フルーツの表皮をむくピーラーは、お菓子の初心者が必ずしも持っているものではないです。そして、皮をむいたオレンジは生食するか何らかの形で使いまわすことになるのですが、オレンジのタルト、ゼリー、クレープシュゼットなどなど、他のお菓子を知っていたり、また実際作れないと、手軽に生食できるバナナに比べて持て余しやすいような気がします。こういったことが端々にあり、本を持っていても実際に作るところまで行けなかったといいますか、億劫に感じてしまいました。

しかし、小嶋ルミさんの手間をかける細かいレシピを試して、美味しさに直結する手順というものを実感し、それに慣れてしまうと、手間はさほど苦痛じゃなくなり、システマティックに手早く作業することもできるようになり、上手くいくと爽快感すら感じるようになるものです。そしてその頃には自分が上達したような気分になっていて、いそいそと道具を揃え始めたり…。

お菓子作りに慣れ親しんだ頃に、ようやく柳瀬さんのものにいくつか取り組んでみると、しっかり甘くてメリハリのある味でした。おやつとしてたくさん食べやすい味というのではなくて(いい加減な表現かもしれませんが)フランス菓子はちゃんとフランス菓子だと。現場でお菓子の修行および仕事をされた方が、家庭で作りやすいようにレシピを組み立てているアプローチなんだなと改めて感じました。

でもって、こちらの本です。
エッセイが中心になっていますので、お菓子のレシピ自体は少ないです。でも地味に定番にしてみたいレシピがあり、私としては柳瀬本の中では一番気に入っているかも知れません。チョコレートの中にバナナを埋め込んだタルトや、チェリーパイなど、ちょっとしたこだわりと隠れた技アリで、試してみたいと思わせられます。特にチェリーパイについては、チェリーのフィリングについて、実際に作ってみて味について納得感(甘さと酸味のバランス)が得られないことが私にもありまして、やっぱりこういうことってあるよなあ…と共感しながら読めました。

チョコバナナタルトについては、藤野真紀子さんの本では「ソニアリキエル風タルト」という名称で紹介されておりましたし、津田陽子さんの最初のタルトの本にも紹介されておりました。クリスチャンコンスタンというフランスの洋菓子店にある、良く知られたお菓子のようです。元々の形は、焼成した円形のタルト生地にビターなガナッシュを流し、仕上げに薄くスライスしたバナナを放射状に並べ、ナパージュを塗ったものです。

柳瀬さんのレシピは元ネタのタルトを離れて、自分の好きな形になったそうなので、その面影はあまりありません。チョコレートのビターさは抑え目に、スライスしたバナナは表面に飾らずに、タルト生地に流したガナッシュの中に埋め込んだことでバナナの香りが付いたものになっていて、面白いなと思いました。ついでですが、津田さんのものも、チョコレートはセミスイートのクーベルチュールを使ってあります。

更に、藤野さんが考察しておりましたものを含めて共通しているところを拾ってみると、日本人には、濃厚でビターなガナッシュの味と、タルト表面に並べるバナナスライスの変色止めに使われるレモン汁の酸味の組み合わせがあまり好まれないようで(レモン汁の味が勝ち過ぎる)、作り手それぞれですが、ビターさを抑え目にしたり、オレンジの汁でバナナの変色止めしたりと、いろいろと工夫しているようです。このあたりは、フランス人と日本人の好みの違いとして読めるような気がします。でも、元ネタのタルトもパリで食べたなら、その土地さながらの美味しさが楽しめそうですね。

数年間お菓子を作るなどしてお菓子作りに慣れてきて、いろいろ考え出した頃に読むのがオススメできるタイミングかなと思います。そうでないと面白さが伝わりにくいところがあります。また、柳瀬さんの自伝的要素がありますので、読む人読まない人がはっきり分かれそうな本でもあります。
(ちなみに写真は日置武晴さんです。研究家さんの本というのは、記念的な本や気合の入った本、売れっ子になってくると、日置さんに写真をお願いする傾向があるようで、本を出す皆さんの憧れなんですね…。)



以下、目次より引用です。
☆が付いた名称は、レシピがあります。

○子どもの頃
お誕生日の思い出 ☆カスタードプディング ☆スワンシュー
おばあちゃんちのお菓子 ☆クレープ
母のおみやげのケーキ ☆型抜きクッキー
お中元やお歳暮でもらうとうれしいもの 駄菓子屋のお菓子
☆バラの香りのブラマンジェ 私が見つけたお菓子屋さん

○お菓子の仕事をはじめて
☆ショートケーキ 生クリームの塗り方
☆マドレーヌ&フィナンシェ ☆ズッパ・イングレーゼ
フランスへ行こう!

○フランスの思い出
☆ブリオッシュのデザート ☆桃のシャンペンマリネ
☆パンナコッタと桃のシャンペンマリネ
☆パータフィロのピーチパイ 
型の話 ☆レモンのバターケーキ
超個人的ミニフランスガイド

○フードコーディネーターになってから
☆アップルクランブル ☆フルーツケーキ ☆オレンジ&レモンピール
☆ラムレーズン&ミックスドライフルーツの洋酒漬け
☆スチームドショコラ ☆杏のタルト ☆洋梨のタルト
☆チョコバナナタルト ☆型いらずの簡単タルトレット
私のお気に入り ☆チェリーパイ ☆シブースト
☆余ったパイで…

材料のこと 道具のこと



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

まいにちの焼き菓子と特別な日のケーキ

何冊か出ている稲田多佳子さんの本を、書店でパラパラとめくったりしてみて、少しだけ選ぶならこれかな?と思ったのが、1冊目と、今回紹介する3冊目です。2冊目は1冊目のバリエーション展開のようでもあり、4冊目以降は新鮮味が減っている感じです。ファンならコンプリートもありですが。

1冊目が粉物の焼き菓子中心で、友達とのお菓子の交換まで持っていけそうな雰囲気だったのに対して、少しくだけた感じのレシピやプリンなどのデザートが多めに紹介されています。器のままサーブして「いただきます」といった感じで、普段着感覚で食卓に上げるのが良さそうです。

特別な日のケーキのカテゴリーについては、私の期待する「特別感」ではありませんでした。というのも「特別感」をプラスするのはご自分で…と、アレンジのベースとなるようにごくシンプルに作られたものだからです。凝りに凝った「特別なもの」という方向性では無く、柔軟性を持たせて作り手に委ねたレシピで、こういう提案の仕方は意外だ…と思いました。

本書では、新たに、黒砂糖やブラウンシュガー、和素材が入ってきています。今思えば、後々出てくる本(和風のお菓子とか…)の予告編、つまり次の展開の足がかりのようにも見えてきます。テーマを一つに決めるというよりは「ベーシックなもの」「特別感」「和素材」など、いろんなテーマが混在した、たかこさん脱皮中の面白さがある一冊と思いました。でも、トレードマークのアイスボックスクッキーを表紙に配し、シリーズ全体の統一感はあります。



以下、目次より引用です。


part1 何度でも食べたい焼き菓子
スフレ風ベイクドチーズケーキ オレオチーズケーキ
いちごミルクのバターケーキ マンゴーのバターケーキ
シナモンキューブクッキー 紅茶のキューブクッキー レモンサブレ
アーモンドとチョコのクッキー チーズとくるみのドロップクッキー
オレンジピールとアーモンドのドロップクッキー
ラムレーズンのバターケーキ くるみとアーモンドのバターケーキ
洋梨のブラウンバタータルト かぼちゃのふんわりパイ
レモンクリームロール キャラメル・カフェロール

part2 昔ながらのスタンダードなお菓子
ちびシュークリーム プチどら 焼きりんご 黒砂糖の蒸しケーキ
スイートポテト

part3 やっぱりプリン
カスタードプリン コーヒープリン 紅茶プリン マロンプリン
バナナプリン 豆乳ミルクプリン

part4 ひんやり、つるりんデザート
いちごのムース クレームダンジュ フローズンヨーグルト 
コーヒーアイス

part5 「和」にはまっています
すだちのケーキ あずきと刻みチョコのバターケーキ
抹茶とあんこのバターケーキ ごまロール 黒豆チーズケーキ

part6 ちょっと特別な日のお菓子
白いデコレーションケーキ 黒いデコレーションケーキ 大きなパフケーキ
ボックスケーキ 紅茶のメレンゲ菓子 しっとりショコラ

column
おすそわけ用のラッピンググッズ
かわいい紙モノたち
小さくて便利なお菓子の道具
アレンジドリンクいろいろ
お気に入りのキッチンクロス
焼き型について


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

ほんとうに作りやすい焼き菓子レシピ

インターネットでの支持から生まれたお菓子本の第一人者的な存在といえば、稲田多佳子さんのような気がします。書店で見かけて「題名長いな。」と思いながらページをめくってみると、お菓子だけじゃなく、写真からテーブル周りのコーディネイトまで、ほぼセルフプロデュース。罫線の入ったキャンパスノートみたいな雰囲気も新鮮でしたし、ここまで出来るのか…と感動がありました。そして、お菓子作りの好きな主婦が、主婦と生活社さんというそこそこ大きい出版社さんから第一作を出してヒットを飛ばしているというのにも驚きました。お菓子作りを趣味とする女性の憧れが極まったようでもあります。

焼き菓子レシピと言うだけあって、果物を使ったタルトなどもありますが、どちらかというと粉もの中心で、紅茶やコーヒーなどの飲み物と合わせて美味しく頂けるような、甘くて濃い感じのする(キャラメル味、チョコ味、チーズケーキなど、コクのある味が好きな著者さんぽいのかな?)レシピが多い気がします。でも、夏でも食べられる焼き菓子や、暑い日でもおいしく食べる方法が紹介されていて、一年中焼き菓子食べたい!という気持ちを満たせます。

アーモンドプードルを使う場面が多くてちょっと甘めというのが、藤野真紀子さんや長尾智子さんに近い雰囲気があるな…と思いました。アーモンドプードルを使うと小麦粉だけでは出せないリッチさを手軽にプラスすることができますし、お菓子作りのテクニックを厳密に追求しなくても風味が上がったり、しっとり感も得ることができるので、作りやすくておいしいが両立できるように思いました。藤野さんだと、エレガントでハイソで作り方がやや面倒なところがあります。長尾さんだと、バナナを使ったものや砂糖の使い分け、道具の選択などが個性的だったり、お菓子の造型がラフで、もう少し丁寧に作りたい人には物足りない感じで、好き嫌いが出そうです。たかこさんは、どちらでも無く、合理的で気取らずに素人ぽくないお菓子が、私にも出来そうだと思わせてくれるといった感じでしょうか。

他にも、材料については、おすすめの銘柄がいくつか紹介されています。他人の経験値を頂けるというのはありがたいことですし、こういう便利なものもあるのか…と参考になります。「このお菓子にはヴァローナの○○じゃないとダメ。」というのではなく、これが好きで愛用しているという括り方で、普段スーパーで買えるものよりはちょっと良い基本的なものという感じです。

ケーキ類については、いろいろな焼き型が使われていますので、何かつくる前にはいくつか揃えることになるでしょう。クッキーについては、フードプロセッサーで生地を撹拌し、棒状のものをカットするアイスボックスタイプが殆どです。フードプロセッサーを持っていて、お菓子作りの経験がある人ならば、ごく簡単に作ってしまえます。初めての人でも、要領をつかめば簡単にできそうですが、少し基本書を読んで粉砕後の生地のまとまり具合などを確認しておくと、失敗のリスクが減ると思います。全体としては、作り方の説明が文章メインで工程写真はありません。


余談ですが(加藤千恵さんの回にも同様なことを書いたような気がしますが…)、
たかこさんがページの端々に道具の写真を出して、いろいろ語る気持ちがわかります。私も、かつてお菓子作りに今よりも熱中していた頃は、合羽橋や製菓問屋などに通い詰めては手に取り、時には買いました。そして、あえて道具を使いたいがためにお菓子を作ったりもしました。

しかし、私の場合、実際使ってみると、業務用の無骨なものや近所の金物屋で買ったものの方が合っていることが多くて、インテリア重視の美しい道具たちがお蔵入りしていたりします。例えば柳宗理さんのボウルとか。バーミックスもあまり使ってないな…。シフォンケーキを型からはずす為に作られたパレットナイフは、型に沿わせていく時につい力を入れすぎるのか、しなり過ぎて焼けたシフォンケーキの側面に刺さること多発。結局小さめのパレットナイフで充分だったとか…いろいろ失敗しています。

一番良かったのは、麺棒を太いものにしたことです。太くて重いほうが、力を入れずに早く延ばせて生地表面がデコボコしないとの情報を得てから、直径5センチのものを持っています。ぱっと見はかなり大きくて、こんなの使うのかとギョっとするのですが。いざ使ってみるとかなり重宝で、タルト生地やパイ生地を大きく延ばすのに安定感があり快適です。軽くて細い麺棒だと力加減が難しいのです。強く押しすぎると、パイ生地からバターがはみ出そうになったり、タルト生地が部分的に薄くなりすぎたり。出来ればネットショッピングで買わずに、実物を触って反りが出ていない真っ直ぐなものを探すのをお勧めしたいです。ネットショップで買った私のものは微妙に反ってますので。

…パレットナイフといい麺棒といい、私は繊細に力を加えるのが苦手かも知れません。


以下、目次より引用です。

part1 お菓子な毎日
くるみのコロコロクッキー キャラメルケーキ
くるみのキャラメルクリームタルト プレーンパウンドケーキ
フルーツケーキ カフェ・ノア バターサブレ 黒ごまクッキー
メイプルクッキー ピーナッツバタークッキー
りんごのカントリーケーキ プチ・ショコラ

part2 フルーツがあれば…
バナナとくるみのケーキ フレッシュフルーツパイ レモンクリームのタルト
りんごのタルト 洋梨のタルト レモンケーキ ダークチェリーのサワーケーキ

part3 紅茶が好き
ティークッキー 紅茶のケーキ オレンジと紅茶のケーキ

part4 くるくるロールケーキ
プレーンロール いちごロール グレープフルーツロール チョコレートロール
チーズクリームロール カフェオレロール ココアロール

part5 ワンボウルで
ベイクドチーズケーキ ココナッツとチョコチップのドロップクッキー
アプリコットマフィン ベリーのマフィン 
クリームチーズとポピーシードのマフィン

column
おいしく作るための小さなポイント1 下準備
おいしく作るための小さなポイント2 生地作り~焼く
材料について1 粉類/卵/砂糖
材料について2 乳製品/香りをつけるもの/チョコレート
道具について
焼き型について


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

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