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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

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Author:oyatsu082

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英国アフタヌーンティー&お菓子

本の版形は、通常のレシピ本に比べて少し小さく、この中に40種類のお菓子がコンパクトにまとまっていて、手にとって眺めやすく馴染みやすさがあります。あまり日本人寄りにアレンジされすぎていない本格派なイギリス菓子のレシピ本で、まず無難なのを1冊というなら向いていると思いました。この本の内容を押さえておけば、だいたい間に合います。

こちらの本は共著で、小関由美さんは主にティールームの紹介など、レシピは、神奈川県の湯河原でブリティッシュケーキハウスをご夫婦で経営なさっている、小澤祐子さんが担当しています。

レシピについて着目しますと、大原照子さんの『私の英国菓子』やジュリー・カレンさんの『ジュリー・カレンの英国伝統のホームメイドお菓子』に近い路線で、日本ではあまりメジャーではないお菓子も満遍なく取り上げられています。ただ、こちらお二方の本と違うのは、出来上がりの分量が少なめであり、かつ小ぶりでつまみやすく仕上げられていることです。今の(日本の)食卓の雰囲気には合っていると思います。上品なテーブルセッティングもなされていて、イギリスのティールームにいるかのような世界観もバッチリです。

この本の(私個人として)最大のポイントはお菓子に合うお茶の選び方です。
スパイシーなお菓子にはスパイシーなお茶、繊細なお菓子には繊細なお茶、ナッツ系のお菓子に意外と中国紅茶が合うなど、選び方のコツがわかりやすいです。お菓子レシピの一つ一つに簡潔に書かれてありますから、現実的にお客様や友人とティータイムをすることを考えると、迷いなく実践的に使える内容です。最初からこれが出来たら、一気に手馴れた人への仲間入りです。お茶選びが楽しくなりそうです。

面白かったのは、今、イギリスの紅茶は従来のブレンドティーではなく、お菓子との相性を楽しむ為のお茶の種類が、いちだんと多くなったという内容です。日本茶や中国茶などの影響もあるということで、ティーバッグからリーフへと回帰しているそうです。
本書でも、ダージリン、ニルギリ、キーマン、などなど、いろいろ紅茶が提案されていますが、この他にも、イギリスのコッツウォルズにある「ティサン」というティールームで売られている「コッツウォルズアフタヌーン」というブレンドティーが出てきます。大手の紅茶メーカーだけではなく、小さいお店も独自のブレンドがあるのですね。
コーヒーは、喫茶店の店主が独自のブレンドを試みたりしますが、紅茶については聞いたことがありませんでした。でもやっぱり当然ありますよね。

私がかつて読んできたイギリス菓子の本を思い出すと、お菓子に合う紅茶の提案は少なめか殆ど無いものが多かったです。セイロンやダージリンを淹れて飲み、たまにアールグレイが出てくるくらいだったような感じでした。ひょっとしてイギリス本国も、かなり大雑把だったんでしょうか?田舎で隠居やティールームならまだしも、都市部のビジネスマンが、優雅に紅茶を淹れ分けて飲んでる暇はなさそうです。ロンドンで、アフタヌーンティーがまた流行りだしたなどという話は、何年か前に聞いたことがありますが。

また、巻末の方で、イギリスでの砂糖の使い分け方に言及しています。
イギリス菓子は糖蜜を含め種類の多さが特徴だと思いました。本書では、日本で手に入る砂糖で作れるようにレシピが書かれています。日本人の味覚に合うようにイギリスには無い上白糖使用のレシピもあります。手に入るのなら、イギリスのカスターシュガーなどで作れれば良いのかも知れません。でも、フードプロセッサーでグラニュー糖を粉砕して細かい粒にして使うという手もあります。
今考えれば、山田詩子さんの『ティータイムのイギリス菓子』という本で、日本で手に入る砂糖をいろいろ使いわけてお菓子を作っていたのはその為だったのかなという気がします。


話を戻しまして、全体的に丁寧に作られた本だと思います。しかし、作り方じたいは文字情報のみの部分が多いので、多少お菓子を作ったことのある方でないと難しい部分があるかも知れません。特に、マジパンを使うケーキは、作るのがキツそうです。


ところで、世界文化社から砂古玉緒さんによるイギリス菓子の本が昨年の秋に出版されており、80種類のレシピと充実した内容で、レビューでの評判が良く、かなり気になります。こちらの本はビスケット、ショートブレッド、プディングなどが多めに紹介されているようでして、ケーキ類のレシピ数はそれほど大きく変わらないです。目次だけ見ると、自家製クロテッドクリームまで紹介されているてんこ盛りの本で、他の皆さんが数冊に分けて出しているような内容を1冊にしてしまった、決定版的な印象です。後に本を出すとき、ネタ切れは大丈夫なんだろうかと、余計なお世話で心配になってしまう位です。そのうちに読んでみたい本です。


以下、目次より引用です。



○1 伝統的なアフタヌーンティーメニュー
レモンメレンゲパイ バタフライケーキ ショートブレッド
リッチマンズショートブレッド
アフタヌーンティーサンドイッチ
(ローストビーフ スモークサーモン&サワークリーム)
キャロットケーキ チョコレートエクレア ベリーのトライフル
スコーン(プレーン&全粒粉&サルタナレーズン) スコーンの作り方

Column1 コッツウォルズのおすすめアフタヌーンティー
バーンズリーハウス


○2 アットホームなアフタヌーンティー
ヴィクトリアサンドイッチケーキ オートミールビスケット
チョコチップオートミールビスケット ミニコーニッシュパスティ
ティーブレッド ミニパブロヴァ バッテンバーグケーキ
アフタヌーンティーサンドイッチⅡ(キューカンバー&ミント)

Column2 コッツウォルズのおすすめアフタヌーンティー&クリームティー
クリームティールーム アビーティールーム ティサン マシュマロ


○3 ティータイムのお菓子
アプリコットクランブルスクエアーケーキ リッチチョコレートケーキ
レモンレイヤーケーキ ベイクウェルタルト バノフィパイ
トリークルタルト コーヒー&ウォールナッツケーキ カップケーキ
アップルパイ マディラケーキ クランペット バナナブレッド
ココナッツケーキ

Column3 ロンドンのおすすめアフタヌーンティー
ブラウンズホテル ハイティーオブハイゲイト


○4 特別な日のお菓子
クリスマスプディング プディングの作り方
フルーツケーキ ミニクリスマスケーキ(シュガーケーキ)
シムネルケーキ ホットクロスバンズ

Column4 英国陶器のふるさと 
ストーク・オン・トレント、エインズレイを訪ねて
私のおすすめイギリス紅茶、パートリッジ


ショートクラストペストリーの作り方
おいしい紅茶の淹れ方
この本で使う食材について 型について



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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

ミセス・ギフォードのイギリスパイとプディング

この本は、前3分の2はお食事パイが取り上げられているのでほとんど料理本なのですが、後ろに甘いパイがありますので、ブログ記事に取り上げてみました。

まず、前書きの「パイとプディングについて」という読み物が大変興味深かったです。

パイの定義は、炭水化物の入れ物や覆いとフィリングであり、イギリス人は、炭水化物にくるまれた中身との取り合わせが大好きなのだそうです。著者は、イギリスの天候が寒いために、温かくてエネルギーの出るような料理を身体が要求するのではと考察しています。本書のパイの写真を見ていますと、ボリュームたっぷりで、想像してみるとお腹いっぱいになりそうです。お肉や魚に野菜も入れて増量し、パイ皮で包むわけです。

日本のおにぎりやたこ焼きと同じような目的だとのことですが、どちらかというと、中国の北京など寒い地域の饅頭や、餃子などの点心に近い気がしました。お肉を野菜や油脂でかさを増やして、小麦粉の皮に包んで蒸したり焼いたりして温かいものを食べるというのが、寒くて米が育ちにくく小麦が収穫できる地方では当然のように発達したのではないかと。

また、古い時代には、オーブン用の型やお皿が手に入らなかったため、小麦粉を練ったパイ皮を皿代わりに使って料理を作り、料理が出来上がると捨てていたのが、フィリングと共に味わうものとして洗練されたのだそうです。土器を作るより、パイ皮の方が簡単だったのでしょうか?いろいろ考え出すと面白いです。

レシピについては、やはりこれから秋冬にかけて活躍しそうな料理が多いなという印象です。クリスマスはチキンもいいのかも知れませんが、こういったパイをごちそうとして分け合って食べたり、一人分ずつポットパイも楽しそうです。また、フレッシュハーブよりも乾燥スパイスを使うシンプルな工程の料理が多いので、スパイスをいろいろ料理に使ってみたい人には参考になりそうです。イギリス料理は詳しくないのであまりちゃんとは書けませんが、ジェイミー・オリヴァーさんあたりがお作りになるモダン・ブリティッシュと呼ばれる料理にフレッシュハーブの多用が見られるのと比較すると、この本は古典的といいますか、伝統的なレシピが集まっていて、日本でも材料が手に入りやすく作りやすいと思いました。

ちょっと料理のことを多く書きすぎましたのでお菓子のことも。こちらも、数は少ないのですが、伝統的でベーシックなものが取り上げられています。マーマレードのプディングやレモンが丸ごと1個入ったちょっと重い食感のプディングなどは、あまり日本では縁が無さそうです。正直言いますと、お菓子については、他のイギリス菓子の本の方が詳しい位です。しかし、レモンが丸ごと入ったプディングは長谷川恭子さん『イギリス菓子のクラシックレシピから』くらいでしか取り上げられていないことを考えると、古くからのイギリスそのものを知ってもらおうとする著者の姿勢が見えるような気がしました。



以下、目次より引用です。


○甘くないパイ SAVOURY PIES
イギリスの食事のコースは3品かそれ以上の品数から成り立ち、前菜とメインディッシュは甘くない料理です。これらをセイボリーと呼び、味つけは塩味か酸味で、砂糖を使わずにうまみを出します。肉、魚、野菜を塩、こしょう、ビネガー、マスタード、ハーブやスパイスで味つけしたものがセイボリーパイに用いられます。コースが3品以上で構成されている場合、パイやプディングは、おなかがいっぱいになりやすいので、1品にとどめたほうがいいでしょう。

コーンウォール地方のパイ 牛肉とビールと玉ねぎのパイ 
スパイス入りポークとアプリコットのパイ 豚肉とハムのパイ
ミートローフ 悪魔のチキンパイ たらとケイパーのパイ
サーモンのフィッシュケーキ サーモンのパイ包み
ムール貝とかきとえびのスープパイ かにのタルトレット オニオンタルト
マッシュルームとアーモンドのパイ リークパイ ほうれん草のフラン
羊飼いのパイ ポテトとオニオンとチーズの熱々パイ
チェダーチーズ入りロールパン カレー風味のエッグパイ ソーセージのパイ


○甘いパイとプディング SWEET PIES and PUDDINGS
甘いパイはランチかディナーのコースの最後、またはティータイムに出されます。甘くないパイと同じ方法で作りますが、フィリング(中身)は甘く味つけされ、スパイスもシナモンやクローブなどの体が温まるスパイス類がよく使われます。甘さを和らげるためにレモンやライムなどの酸味が使われますが、甘くないパイでは酸味として、よくビネガーを用います。甘いパイはアイスクリームや生クリームとよく合い、これにバニラを加えるともっとおいしくなります。

ブレッド&バタープディング ベークウェルタルト アップルパイ
りんごとシナモンのプディング レモンメレンゲパイ 
レモン入り蒸しプディング アプリコットとアーモンドのクランブル
サマープディング カスタードのタルト ジンジャープディング
マーマレードプディング ミンスパイ クリスマスプディング


パイとプディングについて スコットランドの休日 イギリスの調味材料



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

イギリス菓子のクラシックレシピから

「デザートでも料理でも、そのへんのお店にないものを作りたい。そして簡単にできるものがいい」

イギリスで食に関する仕事をしていた著者の長谷川恭子さんが、思いを抱き、ヒントを古書に求め、イメージを膨らませて作り上げたお菓子の数々が紹介されています。

まず、イギリスでは、甘いお菓子の総称をプディングと言うそうです。なぜ、プディングと言うようになったかは、歴史的経緯があるわけなのですが、これが『プディングの由来』という項で、推測も含み簡潔にまとめられています。

時代をさかのぼると、プディングという言葉が文献に初めてお目見えするのが、1066年以降の豚の血入りソーセージ(ブラックプディング)であるそうです。ところが、このソーセージ自体は、イギリスがローマ帝国からの支配を受けた1~4世紀ごろには伝えられていたと言いますから、思った以上に古い時代からプディングはあるわけです。ここからどう転じて甘いお菓子になったのかは、書くと長くなってしまいます。機会がありましたら本書をお読みください。

レシピのページにも、一品毎に、お菓子の由来やおすすめの食べ方などがいろいろ書かれています。まるで、世界史の中の「イギリスの食」という一分野を掘り下げた研究論文みたいです。素朴なルックスのお菓子が多く、中には、今の豊富な日本の食事情に慣れていますと、質素な感じで美味ではなさそうなものもありますが、あえて原点のレシピを残し、古きを味わうといった点では意義があると思います。スティームドプディングについては、温かいまま食べる蒸しパンのようなものだなと思いました。実にたくさんの種類があります。

話は変わって、この本のレビューを書くために、本を眺めていて一つ気づいたことがありました。
イギリスのお菓子には、油で揚げたものが見当たらないのです。そこで、他の著者の本もざっと目を通してみましたが、見当たりませんでした。ヨーロッパ大陸にある国々では、プディングは作りませんが、カーニバルなどのお祝い事には、油で揚げたイースト菓子などが付き物です。お国柄で形の違いはあっても作り方は似通っています。その他のお菓子でも、地続きのお隣の国どうしで似たようなものを作っていることがよくあります。

イギリスのお菓子本が日本で多く出版されているのは、イギリス王室から民衆に発信されたアフタヌーンティーの楽しみに加え、この独特さが人を引きつけるからかも知れません。




以下、目次より引用です。

序文
作る前に
プディングの由来

○基本の生地とクリーム
スポンジケーキ ショートクラストペイストリー
ラフ・パフペイストリー カスタードクリーム
レモンカード/インスタントレモンカード


○ベークドプディング Baked Pudding
イングリッシュファームハウスケーキ アールグレイティーケーキ
ブレッド&バタープディング ライスプディング
ズッパイングレーズ(イタリアン・ベークドトライフル)
イヴのアップルプディング ふわふわアップルプディング
ティプシィケーキ レモンカードレイヤーケーキ
ヴィクトリアサンドイッチケーキ イチゴのサンドイッチケーキ
リンゴのサンドイッチケーキ ブルーベリーケーキ
アーモンドチョコレートケーキ チョコレートと黒ビールのケーキ
チョコレートファッジケーキ チョコレートログケーキ
グリドルスコーン スコーン クレソンサンドのスコーン
クランペット エクルズケーキ ミンスミートビスケット ミンスパイ
クリスマスケーキ トリークルタルト ブランデースナップス


○スティームドプディング
ジンジャープディング クリスマスプディング ジャムプディング
キャビネットプディング クルミとスポンジケーキのプディング
アップルハット ケンティッシュレモンプディング
チョコレートプディング プラムのプディング スポティッドドッグ
スティッキートフィープディング かぼちゃのプディング
くりのプディング

包み方と蒸し方 布でおおう、ヒモを使う 蒸す時のポイント


○コールドプディング
エルダーフラワーソルベ パン粉のアイスクリーム 紅茶のアイスクリーム
サマープディング トライフル サマープディング&トライフル
アップルスノウ シラバブ フローティングアイランド

テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 長谷川恭子 柴田書店

季節を楽しむイギリスのお菓子

イギリス菓子の本としては、ちょっと毛色が変わっているように思える本です。おなじみのスコーンやジンジャーブレッドなどは出てきません。伝統的なレシピの他に、イギリスに暮しハーブや花を楽しみながら育まれたであろう北野さんのアイデアが、既存のお菓子に少し付け加えられてもいます。英国風のガーデニングや野の花が好きな方はページを眺めるのも楽しいと思います。ブルーベル、オールドローズなどは他の著書にも出てきますから相当に思い入れがあるのでしょう。お菓子の出来上がり写真の他は、殆どが花など植物の写真です。

後に集英社be文庫から出版された『イギリスのお菓子 楽しいティータイムめぐり』には新しい読み物もありますが、既刊のイギリスのお菓子3冊からもレシピが取り入れられています。レシピがたくさん欲しい場合は、文庫本の方がお得かなと思いますが、よくよく見てみると同じレシピ名でも少しずつアレンジされています。クリームの味付けが変わっていたり、ケーキに混ぜるドライフルーツの種類が変わっていたりと、全く同じというものはかなり少ないと思います。この違いを実際に作って楽しむのも良いかも知れません。文庫本は、レシピを少し簡単にしてある万人向けのような感じで、『季節を楽しむ~』の方が少し凝っていてお菓子作りが好きな人向けという印象です。

イギリス以外の国のお菓子もアレンジされています。例えば、バタースコッチブラウニーは、ブラウンシュガーで作る甘めのバターケーキ生地を角型に平らに流したら、チョコレートを溶かしたものを上に薄く流し、ナイフを垂直に立てて生地の所々に筋を入れるようになじませてから焼き上げるレシピです。ツートンカラーの真っ黒じゃないブラウニーは変わってるなと思いました。

他にも変わってるなと思ったのは、チョコレートチーズケーキです。フィリングに関してはよくあるチョコレートの入ったチーズ生地なのですが、底に敷くタルト生地の材料が、アーモンドプードルとグラニュー糖と卵白だけなのです。混ぜ合わせて冷蔵庫にしばらく入れて休ませ、麺棒で伸ばしたものをタルト型に敷きこむだけです。この生地はイギリスで古くから伝わるものだそうです。これは凄く簡単です。他のチーズケーキでも使ってみたら美味しいでしょうか。試してみたいです。

全体的にフルーツの入った焼きっぱなしのケーキにはスパイスが多用されていますし、メレンゲにはラベンダーを細かく切ったものを入れたり、アプリコットケーキにはタイムの風味を添えたりしています。レシピの香りもの率は高いですが、ミックススパイスやシナモンなどの濃厚複雑な香りだけではなく、ローズマリー、タイム、カルダモン、ミントなど、さわやかさを加味して甘さやキレを出しているような印象です。作り方手順の工程写真などの情報は無く文章での説明がメインです。



以下、目次より引用です。


Easter
シムネルケーキ バタフライケーキ イースタービスケット
ホットクロスバンズ

Bluebells 
キャロットケーキ レモンカードのロールケーキ

Old Roses
ローズゼラニューム風味のブラマンジェ ルバーブフール
ショートブレッド

Berry Picking
コーンミールケーキ スパイシーブルーベリーケーキ

Winbledon
いちごと桃のコブラー バタースコッチブラウニー ショートケーキ

Herb Garden
ローズマリービスケット ラベンダー風味の焼きメレンゲ
チョコレートパンプディング 
ハーブマフィン
(バジル&ココナッツ ディル&チェダーチーズ ローズマリー&アプリコット)
アプリコットケーキ

Hop Cropping
ビール入りケーキ フレンドシップケーキ

Halloween
パンプキンパイ アップルジンジャーブレッド オーチャードフルーツケーキ

Christmas
シュトルーゼルミンスミントケーキ ミニクリスマスプディング
オレンジチョコレートケーキ ミンスミートのフィロ包み ミンスミート
モールドワイン

Pancake Day
マーマレードケーキ パンケーキ スチームプディング トフィーケーキ

Valentine's Day
チョコレートケーキ チョコレートチーズケーキ

テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 北野佐久子 文化出版局

イギリスのお菓子Ⅱ

北野佐久子さんの前著『イギリスのお菓子』から6年後に出版された本です。前著は、大まかにイギリスの伝統的で比較的有名なティールームのお菓子と家庭で作るお菓子の2本立てといった感じでしたが、こちらのレシピは、童話に出てくるお菓子、家庭で作るお菓子、イギリスの短い夏を彩るベリー類のお菓子の3つに分かれています。家庭で作るお菓子レシピは、北野さんと交流のあった人々にまつわるものです。前著にも載っていた方が1名いらっしゃいます。

エッセイ部分が少し増えたようで読み応えがあります。特に童話の世界のお菓子については、現地に赴き、童話の作者と同じ景色を見て同じ空気を吸っていることに対する興奮が伝わってきます。本当に北野さんはイギリスが大好きなんだなと思わずにはいられません。写真も文も全部自前ですから凄い情熱です。結婚して現地に住みながら取材されたとのことで、全体的に更に踏み込んだレポートになっていると思いました。できれば、イギリスの地図が載っていると良かったです。湖水地方とかウェールズとか、いきなり言われてもイメージが浮かんでこないので…。

レシピは、ショートブレッドやスコーンなど前著と重複しているレシピ名がありますが、配合を見ると少しずつ違っています。教えてもらった先のレシピによって配合が違うのか、北野さんが好みで少し変えているのか、あるいは取材の折々で印象に残っているものを取り上げているのかも知れません。

また、地方色の強いレシピを取り上げていることも特徴的です。ショートブレッドは、生地をあざみの紋章が彫ってある木枠に押し付けて模様をつけるスコットランドの伝統的な作り方もあるのですが、北ウェールズの村ではホタテのような2枚貝に生地を押し付けて貝殻型に成形します。出来上がりに日本のものより細かい粒子のグラニュー糖が振ってあり、これが上品できれいです。他にもカンバーランド・ラムニッキーや、コッツウォールド・アップルケーキなどの現地でしか食べられないレシピがあります。

コッツウォールド・アップルケーキは一度作ったことがあるのですが、丸型に、砂糖・油脂が多めのスコーン生地を敷き、リンゴのスライスしたものを載せて、さらにスコーン生地をかぶせて焼いたもので、食べ応えがあってかなりお腹にたまるケーキでした。バターを溶かしバターにするのと生のままのリンゴを使うからか火が通りにくくて、焼き上がりがしっとりどっしりしやすい感じでした。水分の多いリンゴは火を通して少し水分を抜いた方がいいかも知れません。これに更にアイスを添えて食べたりするそうなのですが、確かにアイスがあった方がのどごしが少しさっぱりして食べ易いかなと思いました。

ベリーのお菓子については、ウィンブルドンテニスの時期に甘い品種のイチゴが『ストロベリー&クリーム』というメニューで一気に大量消費されるレポも興味深かったですが、ワンホールのベイクドチーズケーキの表面に、ヘタを下にしてイチゴをまるごとびっしり並べるデコレーションに少し驚きました。かなりイチゴがふんだんにある時期なんでしょう。日本で作るチーズケーキだとピュレ状にして混ぜ込んだりすることはあれど、ケーキの表面にびっしり並べないなと。形の良いものは買うとそこそこ高いですし。『イギリスのお菓子 楽しいティータイムめぐり』という本にも、外見は似たようなものがありますが、シャンパンで風味がつけられているレアタイプのケーキにゆるいイチゴのソースがかかり、大人向けな印象でかなりおいしそうです。



以下、目次より引用です。

プロローグ

○Favorite Cakes of All Children 童話の世界のお菓子
Treacle Tart トリークルタルト~「プー横丁にたった家」

Blackberry&Apple pie ブラックベリー&アップルパイ~
  「パイがふたつあったおはなし」「ピーターラビットの絵本」
Trifle トライフル~「トムは真夜中の庭で」

Apple Crumble Cake アップル・クランブルケーキ~
  「リンゴ畑のマーティン・ピピン」

Rock Cake ロックケーキ~「ツバメ号アマゾン号」


○Tea Break ケーキが焼きあがるまで――
The Cake is in the Oven
ブルーベル ミセスビートンの料理書 タイムカーペット ピクニック
アンティーク オールドローズ キッチンガーデン


○British Cakes for Delightful Tea Time ティータイムを彩るお菓子
Ms.Leslie Forbes レズリー・フォーブス
オレンジ・スコッチプディング

Mrs.Elizabeth fuller Orchard エリザベス・フラー・オーチャード
キュウリのサンドイッチ ビクトリア・サンドイッチ

Mrs.Elizabeth & Ms.Caroline Humphryes エリザベス&キャロライン・ハンフリーズ
チョコレートケーキ

Mrs.Erys Evans エリス・エバンズ
バラ・ブリス シェル型ショートブレッド

Mrs.Margaret Saunders マーガレット・サンダース
カンバーランド・ラムニッキー ボローデール・ティーブレッド

Mrs.Eileen Barrett アイリーン・バレット
スコーン アーモンドスライス

Mrs.Geraldene Holt ジェラルディン・ホルト
デボン・ハニーケーキ


○Tearooms ティールームをめぐる旅
The Bridge Tea rooms  ブリッジティールーム
Lucknam Park  ラックナムパーク
Lady Northwick's Tearoom  レディーノースウィックス・ティールーム
Primrose Cottage  プリムローズコテージ
The Settle  セトル
Bettys  ベティーズ


○Sweets with Berries ベリーを使ったお菓子
Raspberry ラズベリー  ラズベリーショートケーキ
Strawberry ストロベリー  ストロベリー・チーズケーキ
Blackberry ブラックベリー  ブラックベリーマフィン
Blueberry ブルーベリー  ブルーベリー・ドロップスコーン
Gooseberry グーズベリー  グーズベリーフール

○The Remarks Column お菓子作りを始める前に
本書のレシピの使い方 道具について お菓子の材料について
2つのショートクラストペイストリー 
ミセス・バレットのスコーンの作り方 とっておきのお菓子のレシピ


感謝をこめて
エピローグ


RECIPE INDEX
アーモンドスライス アップル・クランブルケーキ オレンジ・スコッチプディング
カンバーランド・ラムニッキー キュウリのサンドイッチ
キャロットバナナ・ウォールナッツケーキ グーズベリーフール
コッツウォールド・アップルケーキ シェル型ショートブレッド スコーン
ストロベリー・チーズケーキ チョコレートケーキ デボン・ハニーケーキ
トライフル トリークルタルト バラ・ブリス ビクトリア・サンドイッチ
ブラックベリー&アップルパイ ブラックベリーマフィン
ブルーベリー・ドロップスコーン ボローデール・ティーブレッド
ラズベリー・ショートケーキ レモンケーキ ロックケーキ



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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 北野佐久子 ソニーマガジンズ

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