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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

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かんたんお菓子

こちらのお菓子本は非常に話題になっているようです。
特に「乳化」テクニックについての評価が高いです。

ネタばれ的な書き方で気が引けますが、大事なところなのであえて書きますと、水分と油分を事前に充分に乳化させておくというのは画期的です。家庭で作るヘルシーなお菓子も、非常に簡単・合理的・科学的・洗練されてきているのだと思いました。このテクニックを使ったクッキーは失敗しにくく、しかもさくさくだそうです。つまり、乳化させるというのは、お菓子作りに使うバターに近い粒子の混ざり具合(状態)にするということです。

例として、なかしましほさんのクッキーと比較してみますと、特別な手加減が無くても手軽にさくさく感が得られることに納得がいきます。というのは、『ほぼ日刊イトイ新聞』のウェブサイトで、なかしましほさんがメープルシロップクッキーを実際に作っている様子がライブで流れたのをかつて見たことがあり、その様子をふいに思い出したからなのです。

なかしまさんのクッキー作りは、手加減が重要で、手を熊手のように構えて、まず油を粉にざっと行き渡らせるように混ぜ、その後、手で生地をこすり合わせてポロポロにした後、メープルシロップを加えて更に混ぜて生地をまとめるのですが、この時、なるべく均等に油を散らすことが、後から入れるメープルシロップが均等に行き渡るベースになるのだそうです。

これが案外難しく、何名かのほぼ日スタッフさんが作ってみても、なかしまさんと同じようなさくさく感に持っていくのが難しいようで、何度も練習していました。同じ材料でも、なかしまさんのはとてもさくさくなのですが、ほぼ日スタッフさんのものは、さくさくではあっても、なかしまさんに及ばないさくさく感になるのです。

とにかく手際良くやらないと、粉を練ってグルテンを出してしまうので、さくさく感がなくなります。だからといって、短時間で済ませても生地が均質になっていないと、いざ麺棒で生地を延ばす時にスムーズに延びずに何度も麺棒を動かすようになり、ここでも生地を練ってしまう状態になります。そして、歯ごたえのあるカチカチのクッキーが出来てしまったり、延ばしている間に生地にひびが入りやすくなったりして、型抜きにもなかなか苦労します。また、均等に油分とメープルシロップが混ざっていないと、糖分の強い部分だけ焦げ色が強くなり、まだらに焼けてしまいますし、粉っぽさが出てしまいます。

言い換えれば、なかしまさんの方法ですと、粉に混ぜ込みつつ水分と油を乳化させているようなものです。つまり、大量の粉の中で絶妙な手つきで乳化させるよりは、白崎さんのように粉に混ぜる前に乳化させておけば確実だというのが薄々おわかりいただけるでしょうか。

乳化はこれからもどんどん流行り、隠れた常識になるんじゃなかろうかと思います。この本の内容のように結果が出てやってみれば簡単ですが、形にするのは大変です。先入観を超えて、熱意を持ちつつ虚心坦懐に作っていく姿勢が感じられてきます。これだけでも一読の価値がある本です。もちろん、なかしまさんの作り方も悪くはありません。手馴れた人なら素早く作れて一つのボウルで作業が完結しますから洗い物も少ないです。

クッキー以外のページも見てみますと、驚くような製法で卵の入らないマドレーヌをふっくら作り上げたり、パンケーキをふっくら焼き上げるための火加減の工夫、豆乳で作れるクロテッドクリームなど、読みどころがたくさんあります。限られた材料の中でお菓子として成立させるために、お菓子を食べる喜びのために、製法を工夫し、材料の特性を利用して最低限の手数で得たい効果を引き出すことなど、細かな積み重ねが結実しています。なので、まずはアレンジせずに、しっかりこの本の通りに作っていくのが良いなと思いました。マクロビやアレルギー対策などの健康に気を遣ったお菓子を作らない人でも、作ってみたくなるような魅力がたくさん詰まっています。記事をもっと書こうと思えばまだまだ書けますが、実際に本を手にして確かめてみるのがきっと楽しいでしょう。



以下、目次より引用です。


はじめに

○クッキー
●基本のクッキー きなこクッキー
●定番クッキー チェダーチーズクッキー ココナッツボール
●型抜きクッキー ビスケット シナモンチョコビスケット ジャムサンドクッキー
PICK UP 乳化のコツ
●しぼり出しクッキー くるくるきなこクッキー
〔お菓子の小物〕きなこバタークリーム きなこクリームサンドクッキー
●定番クッキー 全粒スティック 白ごまチュイール
●不思議な食感! シャリシャリショコラ
●特別な日のクッキー アーモンドショートブレッド チョコレートショートブレッド


○ケーキ
●ふわふわマフィン ジャムマフィン マーブルマフィン 全粉ナッツマフィン バナナマフィン
●秘密のケーキ レモンマドレーヌとチョコマドレーヌ
●寝かせて作るケーキ フィナンシェ ラズベリーのフィナンシェ
●定番ケーキ 全粉パンケーキ
●寝かせて作るケーキ いちじくのブラウニー
●日持ちする濃厚なケーキ ブランデーチョコレートケーキ
●定番ケーキ バナナケーキ レモンバナナケーキ バナナフルーツケーキ


○タルト
●基本のタルト台  ざくざくタルト ゼリータルト レモンタルト
〔お菓子の小物〕ジャムゼリー
〔お菓子の小物〕レモンカード
●シンプルタルト アーモンドクリームタルト フルーツのタルト
チョコバナナタルト りんごのタルト
●特別な日のタルト ベリーのタルト 
〔お菓子の小物〕カスタードクリーム チョコカスタードクリーム アーモンドクリーム


○スコーン
●スピードスコーン とうもろこし粉スコーン きなこスコーン ライ麦フルーツスコーン
●失敗しないスコーン ヘタスコーン チョコレートスコーン バナナスコーン
●寝かせて作るスコーン 全粉スコーン
〔お菓子の小物〕豆乳クロテッドクリーム
●おまけ 酒粕トリュフ


お菓子作りに役立つ7つ道具 材料紹介 地粉で作るときのレシピ 困ったときのお助けメモ
問い合わせ先 おわりに

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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

本気でおやつ

たなかさんの食の組み立ては全然禁欲的じゃないです。くいしん坊でおいしく食べたいけど健康を保ちたい。だから、身体によいものを選んでいったら、オーガニックなど自然とおいしさに直結していたというものです。だから、バターも卵もクリームチーズも必要なところにはしっかり使っています。一番最後のページにありますが、たなかさんの食事とデザートを特に制限なく食べて2泊3日合宿をしたら、誰一人として太らなかったどころか痩せた人までいたといいますから凄いです。

この本を読んでみて、何かを目の敵にしてあまりストイックに食を制限しなくても、身体によい材料を組み合わせて補完しあい、季節に逆らわずにお菓子を作れば、身体と心をはぐくむものになるんだなと思いました。そのためにも食物の質がいかに大切かということを感じました。

特に注意すべき点は甘みのようです。精製した糖分はカロリーを消費するときにビタミンやミネラルを身体から奪いますから、リスクが少ない糖分を摂ることが大事だそうです。しかも、身体を冷やす性質を持つものと、温める性質を持つものとあるそうですので、季節に合わせて使い分けすることもした方が良いそうです。

私も、小林カツ代さん、有元葉子さんのおやつ本や堀井和子さんのデザートあたりなど、手持ちの気に入っている本にこの本の手法や食材を取り入れて、身体が心地よく感じるおやつを作ってみたいです。もちろん、この本のレシピもささっと出来ておいしそうなので作ってみたいです。

しかし、こういうロハス的な内容の本は、調理方法などにかなり著者独自の傾向があり、ライフスタイルに合う合わないがあります。たなかさんの別の本に、圧力鍋とカムカム鍋の組み合わせて芋を蒸したり穀物を蒸したりする手法があり、この本にも取り上げられているのですが、これも、原理だけ応用するとか、丸元淑生さんの推奨するビタクラフト鍋の手法や無水鍋を使うなど、全く違うやり方をしてもかまわないと思いました。どんなやり方も一長一短あると思いますので。無水鍋のアルミが気になるのであれば、アルミや重金属を排出しやすい食べ物を摂るなどの要素をプラスして、上手に生活すればいいと言いますか。
でも考え方の方向性としては納得です。

オーガニック食材を気軽に買える地域にお住まいの人には、比較的、楽に活用できそうな本です。家庭菜園をやっていたり、地産地消が活発な地域の人にも良さそうです。お取り寄せというのも結構お金がかかりますので。でも、それで病気なく健康に暮らせてバリバリ働けて楽しく生きていけるなら、全体の生活の質が高まるわけですから、目先のお金よりも大切なことのように思えます。読んでいて、すっきり明快さを感じる本です。



以下、目次より引用です。


くいしん坊だから、おやつも本気で作ります。

黒ごまの枠 セサミぼうす そば粉のシフォンケーキ黒みつがけ
そば粉チップス 冷しぜんざい 黒米の汁粉風 黒豆のぜんざい
上新粉の草だんごメープルシロップがけ 豆乳クラッカー
プチシュー レモンのチーズケーキ


おいしいものを探していったら、オーガニックの素材に出会いました。

さつまいもの和菓子 さつまいも入りドーナッツ にんじんケーキ
かぼちゃケーキ とうきび入りコーンフラワーのパンケーキ
れんこんのパンケーキ はちみつのカラメルコーン アーモンドのカラメルがけ
伊予柑の皮の煮物のパイ包み くずきり青梅漬けのはちみつがけ フローズンあんず
いちごのシャーベット さいころフルーツレモンジュースがけ 
トロピカルフルーツの黒糖シロップがけ ココナッツミルクフルーツと白玉入り
いちじくの桃ソースがけ フライパン10分で作る焼きりんご 豆腐入りの栗きんとん風


うちで自分でつくって食べることは、とってもおもしろいことなのです。

ひよこ豆入りココアケーキ いちじくのパウンドケーキ くるみとはちみつのタルト
ブルーベリーのタルト スコーン ジンジャーシフォンケーキ 
バナナのパイ生地ピザ りんごのパイ生地ピザ 


楽しておいしく食べたいから、道具を使ったり、旬を待ったり。

ミニトマトのパイ生地ピザ ソーセージとほうれん草ロール かんたんキッシュ風
パスタマシーンで作る塩ポッキー 揚げ餅 トマトサンド ぶっかけそば


安心して食べたいから、ちゃんと選びたいおやつの材料

白くない砂糖 砂糖ではない甘み 砂糖でも甘味料でもない甘み
地味だけど、力のある材料たち  国内産のもの、無添加のもの、自然のもの

テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: たなかれいこ 文化出版局

ナチュラルなお菓子が食べたい!

健康を保つための食材への関心は途切れることが無く、納豆、バナナ、ココアなど単品で流行ったりもしましたが、ここ数年はマクロビが大流行しています。マクロビや除去食に関して、あまり詳しくは知りませんが、出発点が健康というところからレシピが組み立てられているせいか、決まったルールの中で料理をするといった感じで、作りにくさが否めないところがあります。

ひとまず、特に差し迫った健康の心配が無ければ、使っている食材をより安全に作られた栄養のあるものに置き換えることから始めた方が無理なく続くと思います。食材を一つ二つと置き換えていくうちに、良い食材を買う機会が増え、そして食べる人が増えれば、供給側も売れるものを作りたいですから、より良い食材が手に入る好循環が出来やすくなると思います。縁がある人にはマクロビ、精進料理などの道が開けることもあるでしょう。

この本のレシピは、例えば、クリームチーズベースのチーズケーキを食べなれている人が、豆腐とレモンの酸味で味付けされたチーズケーキを食べたらやっぱり豆腐だと思った…といった感想を持つようなお菓子は基本的に無く、入っていきやすい内容です。

大森由紀子さんは、他の記事でも書きましたが、新しい物、古い物、家庭菓子含めてフランス全土のお菓子に詳しく、精製した食べ物が今ほど無かった頃に作られていた素材の風味を生かしたおいしいものも、きっと味見されていたり文献でお調べになっていると思います。レシピを見ると元ネタがわかるお菓子がいろいろとあります。その元ネタも全てをいじるというよりは、置き換えしやすいものをまず少し変えてみるという感じなので、どんな味がするんだろう?というよりは、香ばしくておいしそうだな、などと率直に思えるお菓子が多いです。
加えて、食材に対する知識を深める活字びっしりのページがあり、食材選びの目安として役立ちます。

面白いなと思ったレシピは、ノンシュガーパウンドケーキです。ドライフルーツでジャムを作り砂糖の代わりにして焼き上げるケーキです。作り方は材料の性質から導き出された方法に工夫してあり、しっかりこんがりとした焼き色がついた本格的なケーキになっています。あとは、わらび粉でつくるチョコクリームをはさんだシュークリームにも興味があります。というよりチョコクリームじたいをムースのように直接食べてみたいなと思いました。

この本は、副題に
『国産小麦粉・全粒粉・ブラウンシュガー・黒砂糖・はちみつ・メープルシロップなどが主役です』とありますように、最終的に残っている問題は卵と油脂です。焼き菓子に使うバターの役割は、風味、温度による可塑性、グルテンのつながりを阻害する働きなどとても大きく、単純にサラダオイルやオリーブオイルに変えられないところがあります。卵は「完全食」と言うくらい必須アミノ酸が全て揃っている食べ物ですから少しは譲歩しても、バターはちょっと厄介だと思われやすいです。しかし、このオイルを変えたり減らしたりしていくと、かちかち、ぱさぱさ、風味がいまいち足りない…とさまざまな焼き菓子から離れていき、シフォンケーキ、ビスコッティ、クイックブレッド、和菓子など、別のお菓子の可能性にベクトルが向くことになります。バターが無いということで作りにくくなるお菓子は多いのだなと改めて気づかされました。フランス菓子は特に。

しかし、バターも全て脂肪分ではなく、ミネラルやたんぱく質などの栄養素を含んでいますから、一概に身体に悪いとは言いがたいですし、別の本で読みましたが、バターも産地や季節によって、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の量が違うそうですから、こだわろうと思えばもっとこだわれます。そうするとだいぶお金かかりそうですけど。



以下、目次より引用です。


プロローグ
本書レシピの特徴

第1章 ナチュラルなお粉が主役

○体のことを思ったらいつものお菓子も安心のお粉で
くるみとくこの実のパウンドケーキ アーモンドとレーズンのパウンドケーキ
タタン風りんごケーキ バナナのウィークエンド いちごのタルト
カッテージチーズのタルト ごまのタルト くるみのタルト
全粒粉入りシュークリーム チョコシュークリーム 豆入り蒸しパン よもぎ蒸しパン

○粉の風味がごちそうライトミールのひととき
全粒粉入りパンケーキ 全粒粉のワッフル 全粒粉のスコーン

○おやつの時間も少しだけ健康のことを考えて
胚芽入りクッキー オートミールクッキー ノンオイルクッキー
黒ごまクッキー ノンシュガークッキー キャロブ入りチョコクッキー

○ワインの時間も気ままにつまんで
国産小麦粉のクラッカー グリッシーニ ジャノ 玉ねぎタルト

○安心のお粉でパンも気軽に作ってほしい
全粒粉入りロールパン シナモンロール

○日本の伝統的お粉にも興味しんしん
そば粉のクレープ 玄米粉のフィンガービスケット 麦こがしのクラフティ
きな粉とピーナッツのクッキー きな粉ロール そば粉入りファーブルトン
くずまんじゅう 麦こがしフィナンシェ ごましるこ


第2章 天然甘味料の風味いきいき

○はちみつ&メープルシロップで
はちみつマドレーヌ パン・デピス メープルマフィン 
メープル&ヨーグルトのアイスクリーム メープルフレンチトースト
メープルとクランベリーのムース ワタシ流おいものテリーヌ
りんご煮&はちみつミントゼリー かぼちゃのミアス

○ドライフルーツで
ノンシュガージャム(ミックス・レーズン) ノンシュガーパウンドケーキ
レーズン入りのノンシュガーパウンドケーキ

○黒砂糖で
黒糖タルト 黒糖プリン 黒糖春巻き 黒みつ作り 黒糖かん
いちごの黒みつバルサミコ酢かけ


第3章 自然食品店の気になる食材使いこなし
サヴォア風キャロブケーキ バナナとりんごのキャロブソテー
ライスパフがけ黒糖マフィン オートミール入りブラウニー チョコレートムース
ヨーグルトで作るクレメ・ダンジュ 豆乳ごまムース 豆乳パンナコッタ

○大森さんちの「自家製」印
国産フルーツのとろとろジャム 安心牛乳のカッテージチーズ

カッテージチーズのレアケーキ ごま風味のカッテージラスク


第4章 ナチュラル素材と上手におつきあい
○知っておきたい製菓材料の安全性
バター 生クリーム 卵 ナッツ類 チョコレート ココア ドライフルーツ
ベーキングパウダー ピール類ほか

○ナチュラル製菓材料が手に入る
○宅配システム&通信販売 ナチュ素材選びのお助けBOOK

○オーガニック認証ってどんなもの?


おやつ時間
いちごジャムサンドクッキー 型抜きチョコクッキー

レシピでは説明しきれなかったこと
食べたい気分の「風味」インデックス

<調べてみました>
小麦の粉いろいろ 日本の伝統的なお粉いろいろ 
はちみつ&メープルシロップいろいろ ドライフルーツいろいろ
未精製の砂糖いろいろ ナチュラルショップの気になる食材いろいろ

テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 大森由紀子 家庭画報 世界文化社

お芋の菓子箱

2000年代後半に入ってからのお菓子の本は、デザインがどんどん洗練されて絵本を見ているかのようになっていき、少し茶色っぽくてナチュラル、大人っぽくて少しかわいらしさがあるイメージのものが増えている傾向でしたが、とうとう農文協さんの本にもこういうのが登場するようになったんだなあと感慨深いものがあります。
(今までの本に載っていた、江島雅歌さんの妹さんの描くイラストも素敵で捨てがたい魅力がありました。今回は無くて残念なような、その代わりにデザインが良くなって嬉しいような。複雑な気持ちも実は少しあります。)

江島雅歌さんのお菓子は大好きで良く作っていましたし、おやつ以外にも朝食としてよく食べていましたので、新刊が出たのがとても嬉しく、書店で見つけてすぐに買ってしまいました。

今までの江島さんの本は、かなりヘルシーな内容でありながらも、ベーキングパウダーを多く使っているレシピがある、ゼラチンが入っているなど、ベジタリアン傾向のヘルシーな食生活を徹底されている方には少し物足りないというレビューもありましたが、今回の本はターゲットを「芋」に絞って工夫されていますから、ヘルシーさは申し分ないです。
マクロビ中心の食生活を送られている方や、アレルギーのある方、添加物をできる限り避けたい方から、逆に特に食事制限されていない方まで、年齢も幅広く、芋好きの皆さんが満足できる内容ではないかと思います。
小麦、乳製品、卵、精製された砂糖を全く使いません。油脂は菜種油、甘みはキビ砂糖、はちみつ、麦芽水飴、黒糖、膨張剤は重曹、固めるのに寒天や芋のとろみやねばり、乳製品の代わりに豆乳といったような材料を使っています。

紹介されている芋の品種は10種類にプラスかぼちゃで、品種の特性を上手く使い分けてお菓子を作ります。巻末には芋のカテゴリーごとに(さつまいも、じゃがいも、さといも、やまいも、かぼちゃ)栄養、保存方法、お菓子作りのコツ、使い分けのポイントなどがまとめられているので、知識として持っておくと、たくさん芋を頂き物でもらった時なども慌てなくていいのではと思いました。
そして、レシピや出来上がり写真はフルカラーになりました。全てのお菓子の出来上がった状態、盛り付けや贈り物用のパッケージのプレゼンテーションも力が入っていますので、迷う部分が少なくなりましたし、見た目の美しさも目を引きます。写真を眺めるだけでも目の保養になる要素たっぷりです。

作り方は簡単なものが多いです。オーブンを使うお菓子が少ないので、オーブンを持ってない方でもかなり使えます。芋を使うということから、殆どのお菓子にすりつぶす工程が入ってきます。すり鉢、フードプロセッサ(大量に作るとき)、おろし金(目の粗いもの、さらに細かいものがあるとやまいもをきめ細かくするのに良い)など、おすすめされている道具がありますが、まずは直径18cm程度のすり鉢と目の粗いおろし金があれば間に合うようです。

それにしても、ひなびたものからしゃれたものまで、材料を制限しながらもこれだけお菓子がいろいろできるとは。この中からまだ作ってはいないのですが、見るだけでもただひたすら感激。江島さんが長年に渡り深く深く芋とお付き合いしてあらゆる芋の力を引き出したからこそ、ここまでレシピが出揃うんだな、人間の想像力って凄いと思いました。



以下、目次より引用です。


お芋の魅力、ぎっしり詰まっています

○この本で登場する お菓子づくりにおすすめお芋10種
さつまいも-紅あずま/金時いも/紫いも/黄金千貫/安納いも
じゃがいも-男爵/メークイン
やまいも-長いも/いちょういも
さといも-土垂
かぼちゃ-西洋かぼちゃ

○プレゼントの箱-お祝いに、お持たせに、おもてなしに向く華やかなお菓子
安納いも×紅あずまのきんとん さといものきんとん いちょういもの茶巾
芋ようかん かぼちゃのチュイル 長いもの米粉マフィン いちょういものふわふわベーニエ
いちょういもとはったい粉の焼かないフルーツケーキ 長いもの黒糖かるかん
かぼちゃと長いもの2色ういろう 金時いもと紫いものフルーツロール
さといもピーナッツムース 濃厚かぼちゃプリン

○おやつの箱-海外や日本のおやつをひと工夫した、軽食・デザートに向くお菓子
メークインの雑穀粉パンケーキ さといももちのおはぎ&お焼き さといもの味噌だれ焼き
さといもの磯辺焼き かぼちゃのフライパンお焼き かぼちゃしっとりケーキ 
フレッシュ&ドライプルーンの男爵クネーデル サンカヤー 長いものオレンジ寒天
安納いものジェラート さといものチョコ風味アイス 男爵ニョッキ
かぼちゃニョッキ 5種のお芋クリーム

○ストックの箱-つくりおきができる便利なストックと定番のお菓子
黄金千貫と紫いもの2色けんぴ 黄金千貫の大学芋 焼きポテトチップス
さつまいもの皮のチップス かぼちゃくずもち 紅あずまの芋甘納豆
安納いもと紅あずまのスイートポテト 男爵ポテトチョコボール
紅あずまのねりくり さといものねりくり

○お芋ともっと仲良くなろう-栄養、保存法、お菓子づくりのコツ、使い分けのポイント
さつまいも じゃがいも やまいも さといも かぼちゃ


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 江島雅歌 農文協

絶対おいしいローカロリーのお菓子

アレルギーが無くて、マクロビほどストイックにはなりたくない人には良いと思います。
バターや砂糖の使用量を減らした分、風味づけするものを工夫して加えていますので、満足感のあるおいしさがあります。お菓子のカロリーを落として作りたい時のヒントももらえそうな内容です。この本のレシピはよく出来ていると思うので、いじらずそのまま作った方がおいしいです。(もっとカロリーを落とそうとして墓穴を掘ったことがあるのです。カロリーを上げる分にはいいんですけども。)

この本からはいくつか作りました。
さつまいもと黒砂糖のタルトは、タルト生地の作り方が麺棒要らずで難しくなく、黒砂糖とさつまいもがよく合うので、何度もリピートしました。『栗原さんちのおやつの本』に出てくるさつまいものタルトと作り比べたり、二つのレシピを折衷したりして楽しみました。
カスタードパイは、生地に入れるバターの量が非常に少ないのですが、クラッカーっぽくてあっさりして、これはこれで別のおいしさがあってはまりました。
チーズケーキはレモンの香りが高く、しっとりしているけど軽い食感で、しつこくないのが良かったです。

お菓子を作り始めて間もない頃に、バターをたくさん使うのにびっくりしてこの本を使うようになったのですが、作り方もそんなに難しくないし、バターが少なくてもおいしいじゃないかと、目からうろこが落ちました。お腹にもたれにくく食感が良いせいか思わず多めに食べてしまって、カロリー的にはダイエットの意味がないな…と思いましたが、この本をよく使っていたころは、私自身が若くて食欲が旺盛だったので良かったです。普通に作って食べてたら、カロリーオーバーしますもんね。
今現在は、本棚に眠っています。


以下、目次より引用です。

バナナのシフォンケーキ レモン風味のチーズケーキ そぼろチョコレートケーキ
さつまいもと黒砂糖のタルト さつまいものワッフル フルーツショートケーキ
かぼちゃのケーキ ココナッツとにんじんのケーキ かんたんアップルパイ
スフレロールケーキ ココアのオムレツケーキ ハーブとチーズのクッキー
コーヒーのマドレーヌ りんごとチーズのクラフティ カスタードパイ
オレンジとナッツのレースクッキー アーモンドのマカロン 干し杏とプルーンのケーキ
ごまのビスコッティ チョコレートサブレ いちごのムース 抹茶のブラマンジェ
チャイニーズクリームケーキ ヨーグルトのズコット ごまのアイスクリーム


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 小田真規子 雄鶏社

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