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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

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北欧の美味しいお菓子づくり

著者がスウェーデンのお菓子職人ということですので、この本はスウェーデンのお菓子が中心に取り上げられている本ということになります。私は、最低でもスカンジナビア半島全体のお菓子が収められているのかとかなり期待していたので、実はほぼ一国だけということで少し残念な気持ちになりました。他にもフィンランド、ノルウェー、アイスランド、デンマークとありますから、ひと括りに「北欧」とは言い切れないです。日本では「北欧」が一つのブランドのようになっていますから、わかりやすさはあるのですが。

お菓子の由来や出所が数行しか書かれていないと、一つ一つのお菓子が心に残りにくく物足りなかったです。名産品があってこのお菓子が出来たとか、住人の求める味の傾向や気質など、文化的な背景が無いと、面白みが平板になり臨場感に訴える部分が足りなくなる気がします。フランス、イギリス、ドイツ、アメリカなどのように、書籍が多く出回っている中の数冊を選んで補い合うように読めば、文化もレシピも押さえることができる状況と比べるのは酷ではありますが、よく出来たレシピ本を読んでしまってるせいか、要求度が上がってしまいます。

北欧インテリアも含めた美しさ、かわいさを見せたいという意図なのか、写真はたっぷりあり、北欧好きな人にはこれで充分なのかも知れません。しかし、私は北欧についてあまり詳しくありませんので、お菓子を楽しむためにも読み物が欲しいです。この本を足掛かりに、もしも第2弾の本が出版されることがあれば期待したいです。

ともあれ、仕切りなおして中を見てみると、なかなか不思議な形をしたお菓子があります。ひも状のものが渦を巻いているような、文様のような成形のお菓子やパンがあり、何個も並んでいるのを見ていると、まじないをかけられているような気分になってきます。北欧の食器やリネンも、モチーフを繰り返すような柄が多いので、こういう文化なのだろうか…などと思います。(北欧文化に詳しい人にそこのところを聞いてみたいです。)
ひとひねり加えて記号化されているようで、日本の家紋を見ているような面白さがあります。こじんまりと単純化された感じがかわいく、このデザイン性に魅せられる人が多いのがわかる気がしました。私も理由はわかりませんが、見ているとなぜか好きになってしまいます。

変わってるなと思ったのは、砂糖の全く入らないクッキー生地に、あられ糖をトッピングして焼くソッケルクリングロルです。その他の粉が入るクッキーも、白っぽい焼き上がりにするのがテクニックのようで、こんがり感は少なめです。

全体的にレシピの材料を見ていくと、お菓子やパンの表面を飾るのにあられ糖、グラニュー糖がまぶされたりしているものが多いです。カステラに付いているザラメのように、砂糖がかりかりじゃりじゃりする食感が好きな人は気に入るのではないでしょうか。香り付けは、シナモン、カルダモン使いに特徴があります。果物は、いちごなどのベリー類がよく収穫できるようです。バターやチーズの旨みがありそうだなという印象が少なかったので、スウェーデンは乳製品がちょっと弱いのかなと思いました。例えば酪農が盛んなデンマークだったら、乳製品の良さを生かしたお菓子がありそうですが…。ナッツ類は、アーモンドがよく出てきて、ヘーゼルナッツとココナッツをたまに使います。しかし巻末に近いページに、北欧のお菓子にはクルミが欠かせない、と書いてあるわりには、クルミを使ったお菓子が一つも載ってないのが不思議です。

こうやって見てくると、著者が好きな味でかわいい形の焼き菓子を優先して載せたのかな、表層的にかわいい北欧をなぞったのかなと、ちょっと気分が空回りしてしまいますが、素朴な焼き菓子が好きで、味の嗜好が合いそうな方には良いのではないかと思いました。



以下、目次より引用です。


COOKIE PART1
ハッロングロットル ソッケルクリングロル スニッタル
ココスカーコル マンデルムムス モッカニースタン ドロンマル

CAKE PART2
ソッケルカーカ ミューク・ペッパルカーカ ルールトータ
ティーゲルカーカ マンデルカーカ モーロットスカーカ
プリンセストータ ヨードグッブスカーカ

BREAD PART3
キャネールレングデル ヴェーテブッラル ヴァニーリブッラル
クリングロル・メ・ヴァルモフリョーン
ルッセカッテル+グリョッグ パンの成形

CHOCO PART4
ショクラードボッラル ショクラードカーカ ラーディオカーカ
ヴァルム・ショクラード

DESSERT PART5
サフランスパーロン ウグンスパンカーカ・メ・ペシュカ
サフランスパンカーカ ウストカーカ
エッペルパイ・メ・ヴァニーリソース

SEASONALLY PART6
セムラ ラバルベルカーカ+ヨードグッブスクレーム
マリアンス・エッペルパイ ペッパルカーコル

COLUMN
北欧のかわいいお菓子づくりの本
なつかしく、愛らしい道具たち①
なつかしく、愛らしい道具たち②
北欧スウェーデンの材料やお菓子
北欧風味、日本の素材で作るには?

北欧スウェーデンの美味しいお菓子屋さん
北欧、四季の風景



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テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

スイスのお菓子のおもてなし

素朴な焼き上がりの家庭菓子が紹介されています。この本をざっと眺めますと、全体的に、どっしりした腹持ちの良さそうなお菓子が多い印象です。

スイスは多くの国と国境を接していますので、お菓子を一通り眺めてみますとどこかで見覚えのあるものがいろいろとあります。ところが、少しずつどこか違っていてユニークです。土地で採れるものや住民の嗜好が反映されているのだろうと思います。隣国のお菓子とどう違うのか、作り比べてみるのも一興です。

例えば、

リンゴのケーキはドイツのリンゴのトルテに似ていますが、スライスしたリンゴに卵やマーガリンを入れてフィリングを作り、ドイツのバターケーキ生地に近いような配合の、やわらかめのタルト生地の上に広げて焼いたもので、生のままのリンゴを焼き込むドイツのものとは少し違います。イチゴの黒い森のケーキは、シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテのアレンジですが、ココアのケーキ生地はジェノワーズではなく、別立てメレンゲを加えて作ったバターケーキ生地といった感じで、重いです。

他にも花冠のパンはイタリア菓子のグバーナに似ていますし、タルト・ド・モンバリーは、フランス寄りの地方菓子ということもあり、フランスのガレットブレッサンヌ(ブリオッシュ生地を薄く円盤状に広げて、クレーム・ドゥーブルに砂糖を加えたクリームを塗って焼いたもの)とほぼ同じで、使う乳製品が違うだけと言ってもいい感じです。ツーガーキルシュトルテは、バタークリームのフィリングをジャポネ生地とスポンジ生地でサンドするものです。オーストリアに近い地方のケーキであるのか、サンドする生地を2種類作る手法がウィーン菓子ぽいですが、スポンジに打つシロップは、ツーク名産のキルシュを使います。

しかし、チョコレートのケーキとなると、使うチョコレートの量が多くて濃厚そう。さすがは有名なチョコレートメーカーのある国です。

こんな感じで、これが特徴的なスイスのお菓子だというものが、隣国と比べてはっきりはしていない感じなのです。はっきりこれかな?と分かったのは、ビュンデン風ナッツケーキ(エンガディナー:エンガディーン地方が発祥だと聞いていたのに…と思って調べたら、グラウビュンデン州エンガディーン地方ということでした)だけでした。

しかし、日本においては、本やマスメディア、店舗などの絶対数がフランス菓子とは違いすぎます。フランスの地方菓子はブームとして仕掛けられたりしますが、スイスのお菓子ではめったに聞かないという、目にする回数の少なさによる影響もあって、いまいち印象に残りにくいのかも知れません。また、国内で使われている言語が多く、多国籍的な状況ですから、お菓子も当然そのようになる、つまり、いろいろありますよというのが、永世中立国であるスイスという国の特徴なのかなと思いました。

この本で積極的にお菓子を作り、写真をアップされているブログを一つ見つけました。東スイスにお住まいの日本人の方が書いている
東スイス Lindeの木の下で
です。
作ってみての感想や、こうした方が出来上がりが良くなるなどのコツが書いてあったりして充実しています。ご覧になると、この本の雰囲気が半分くらいはわかり、ご購入の参考になると思いましたので取り上げさせていただきました。宜しかったら、ご訪問くださいませ。



以下、目次より引用です。


おいしいスイスのお菓子をめしあがれ

○スイスの楽しいお菓子
リンツァー・トルテ グラールス風パイ ツーガー・キルシュトルテ
トルーディのチョコレートケーキ リンゴのケーキ リンゴのタルト
チューリッヒ風司祭館ケーキ イルマのチーズケーキ タルト・ド・モンパリー
ニンジンのケーキ ビュンデン風ナッツケーキ ウーリ風パイ
アッペンツェル風ラームフラーデン ルツェルン風レープクーヘン

○思い出いっぱいのお菓子
エリスのグーゲルホプフ チョコレートのグーゲルホプフ マーブルケーキ
ピクニックケーキ ジャムロールケーキ なまけもの天国のケーキ
イチゴのケーキ イチゴの黒い森のケーキ カボチャのケーキ
レモンのケーキ びっくりケーキ ココナッツ・マカロン S字チョコレート
鳥の巣のクッキー

○イーストを使ったお菓子
花冠のパン ナッツ・クロワッサン ロシア風みつあみパン ローゼンクーヘン
イースト生地・ナッツのフィリング・コーティング用
みつあみパン 男の子のパン 三人の王様のケーキ

○カーニバルとクリスマスの楽しいお菓子
カーニバルキュッヘリ シェンケリ 
クリスマスクッキー(※以下、クッキー名です。)
アニスクレベリ マカロン シュピッツブーベン レッカーリ
ブルンスリ ペッパーナッツ テーブロート ヌスシュテンゲリ シナモンの星
ジンジャー・マカロン ファイゲン・カレ 黒白サブレ マイレンダリ
ツィムトグエッツリ


コラム
祖母と母から受け継ぐお菓子のレシピ 誰もが楽しいスイスのカーニバル
クリスマスのクッキーづくり


レシピに登場するお菓子の町
スイスのお菓子をおいしくする材料


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: クリスティーナ ブルギ 旭屋出版

ポルトガルのお菓子工房

ポルトガルでお菓子の工房を旦那様と経営している智子ドゥアルテさんの本です。

レシピを見ると、卵、特に卵黄をたっぷり使った黄金色のお菓子が多いです。卵黄5、6個なんて当たり前。砂糖もけっこう使いますね。

エッグタルトはもちろんありますし、カステラの先祖、パォン・デ・ローについては、地域ごとに材料や焼き加減が異なるそうで、材料比率と焼き加減の分類表までついているのが興味深いです。

ポルトガルにもアップル・シュトゥルーデル(りんごを透けるほどの薄い小麦粉で作った生地で海苔巻きみたいに巻いて焼いたお菓子)にそっくりなお菓子があるのは予想外でした。
ウィーンやドイツのお菓子本には必ずと言っていいほど出てくるんですが、以前イタリアのお菓子本にあるのも驚きました。地図を見ればイタリア北部にはオーストリアとの国境がありますから不思議でも何でもありません。
でも、ポルトガルにもまさかあるとは。ただし、こちらは卵黄の濃いクリームが巻き込まれています。

レシピは3章に分けられていて、「ポルトガルの伝統菓子」は18種類。修道院生まれのお菓子が多いそうです。「お祝いの日のお菓子」は9種類、イースター、カーニバル、クリスマスなどに作るお菓子です。「海を渡ったお菓子たち」は6種類、日本にやってきた南蛮菓子のルーツとなっているお菓子や和菓子の元になっているお菓子を紹介しています。

お菓子にまつわるエッセイとレシピを読んでいくと最終章が待っています。
最後をしめくくるエピローグは圧巻です。
そこには、智子さんが情熱をたぎらせて、伝統が途絶えつつある郷土菓子を集めなければとフィールドワークし、カステラの先祖、パォン・デ・ローのある地で日本のカステラを里帰りさせるために、工場建設、店舗物件探しと、さまざまな規制や困難に負けずに奮闘する姿が書かれていました。

楽しいお菓子の世界が詰まっていると思い、気楽な気持ちでページをめくっていった先には予想外の展開があり、一人の人間として頭が上がらないといいますか、絶句するといいますか、とにかく、うーんとうなるしかありませんでした。
また、長崎県で江戸時代から続くカステラの老舗、松翁軒の山口貞一郎さんもこの本作りに尽力されています。

おそらくは日本で唯一のポルトガルお菓子本だと思います。
現在は、出版社が倒産していますので、古本では手に入れることが可能です。


以下、目次より一部引用です。

第1章 ポルトガルの伝統菓子
ドース・デ・オヴォシュ トラヴセイロ ボレイマ アローシュ・ドース パスティシュ・デ・ナタ
マッサ・ソヴァーダ パステイシュ・デ・テントゥガル モルガディーニョス・デ・アーメンドア
シドーニオ メイアシュ・ルーアシュ セリカイア ボーロ・レヴェド アルコモニィアシュ
フォガッサ ケイジャーダ パポッシュ・デ・アンジョ ソーニョス ラバナダーシュ
ヤギのフレッシュチーズのケーキ 洋ナシのコンポート・モスカテルワイン風味
アレンテージョ会館のデザート4種

第2章 お祝いの日のお菓子
ふぃリョーシュ&コシュコロインシュ フォラーレシュ ボーロ ボーロ・デ・エスピリット・サント
ボーロ・デ・ノイヴァ ロスキーリャス アズヴィアシュ ボーロ・レイ コンフェイト

第3章 海を渡ったお菓子たち
ボーロ・デ・ジェーマ マルメラーダ ハンガリークッキー フィオス・デ・オヴォシュ
ソーパ・ドゥラーダ パォン・デ・ロー



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 智子デュアルテ 成星出版

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