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2009年の夏から、趣味で買い集めたお菓子の本についてのレビューを書いています。もっと書く事をエンジョイしたくなり、本棚から手放す本、追加する本がいくつか出てきました。ですので、ごくたまに書き込まれる本の内容についてのご質問に詳しく答えられない場合がございます。それでは、お時間ありましたら記事にお付き合い頂きつつ、ご一緒にお菓子本を楽しみましょう。

oyatsu082

Author:oyatsu082

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レシピを見ないで作れるようになりましょう。

この本が出るのを知った時、私は、有元さんの数多のレシピが、作りやすくなるツールを得られるのでは?という期待がふくらみ、待ちきれずに、発売日前に予約を入れてしまいました。

読んでみると、実際はそれ以上のものがあると感じました。他の料理家さんのレシピだったとしても、自分の即興であったとしても、思い描いた味に近づけるために、どこに手をかければ良いのか、慎重にやった方が良い工程は何か?など、自分で探りつつ考える癖が付く感じです。
有元さんの思考回路が乗り移るというのでしょうか。

有元さんらしく、オリーブオイル、メープルシロップですとか、ハーブなどの薬味系の野菜が出てきます。これらのものは値段が高くつきます。そして、家族の人数が多かったり世代がまたがる場合には、味の好みに大きく違いがあったりして、全てを取り入れるのは難しいです。が、それを割り引いても得られるものがあります。
無水鍋やバーミキュラなど、道具の縛りが少なく、取りくみやすさもあります。

物理的にレシピ本を断捨離しても、クックパッドなどを見てその都度作っていたら、部屋は片付くかも知れませんが、頭の中は片付かず、あまり変化なしということになります。
そして、レシピ頼りだと、材料をすべて揃えないと料理が作れないケースも出てきます。しかし、おいしくする勘所がわかれば、冷蔵庫の中に既に入っている材料を使い、その場で何かを作っても、味が決められるようになるわけです。

レシピ本やクックバッドなどで飽和状態の中、脱レシピ本というのは…それが有元さんだったら、ひときわ目立つわけです。土井善晴さんが『一汁一菜~』を出したのにどこか似ている気がします。力量のある先生方がこういう本を書かれるのは大変意義があると思いますので、他の先生方の本も見てみたくなりました。
少し前だと、故小林カツ代さんは読むレシピ本をよく書かれていましたね。「ジャー」とか「ガーっ」などの擬音語を使ったり、食材の香りや色の変化などをなるべく言葉にして、感覚へと落とし込めるように工夫されていました。

有元さんの今回の本を読んで面白いと思われた方は、『この野菜にこの料理』という本も、文字だらけですが、野菜の扱い方についての理解が深まるのでお勧めです。


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一汁一菜でよいという提案

私のブログは基本的にお菓子本を扱っているのですが、今回は、ちょっと気になった土井善治さんの本について書いてみます。

大雑把に書くと、日本人の食事は一汁一菜(ごはんと味噌汁、お新香)で基本事足りる。
これならどんなに忙しい時でも誰でも作ることが出来て、自身の健康を維持できますよという提案です。そして、なぜ、この提案に至ったかという理由がいろいろと書かれて、一冊の本になっています。

読んでいてふと思い出したのが、暮しの手帖社から出ている『長尾智子の料理1,2,3』という描き下ろしエッセイです。
その中の「基本食の時代」という項目の中に、
~これさえあれば元気でいられるという食べ物が、人から見れば少々奇異であっても、自分が頼れると思えば、それは大事な基本食になる。誰もが、元気を保って頼りにする食べ物を人それぞれに持って、それを調える時間を作って暮らす時代~
というような内容があります。

書いてあることの動機や提案は、土井さんと似ていると思いました。ただ、「基本食」と書くか、「一汁一菜で良い」と書くかで、伝わり方には、かなりの違いが出ます。元々のマスコミへの露出度の違い、主にお作りになっている料理など、お二人の前提条件は当然違うわけですが。

「基本食」という言葉の前では、私としては「自分にとっての基本食って何だろう?」と少し考え込んでしまい、結局結論を出さずに何となく日々の生活をやり過ごす…という、あいまいなスタンスになってしまいました。

一方、「一汁一菜で良い」となると、そうか、一汁一菜で作っちゃっていいんだ、それくらいの気軽で継続的な食生活で良いんだと、肩の荷が下りる気がします。また、逆に、実際は、一汁一菜では食卓が寂しくないか?何かもう少し無いと駄目だろうな…思います。


巷には、レシピ本、美味しいレストランなどのお店、コンビニ…などなど、食に関する情報や実際に食べられる場所も機会もたくさんあります。おそらく、人間にある欲が消えでもしなければ、これらのことは縮小することはなく、拡大の一途だと思います。
(私のブログ自体、それに加担している部分はあるかも知れませんが…)

拡大方向に無意識のうちに乗っかっていくことは、自然のものに手を加えて、最低限食べれるものにして食するという、原点となる人間の営みを失うということにも繋がりそうです。

土井さんの一汁一菜論は、飾り気の無い言葉ですが、日本人にとってはわかりやすく、グサッと刺さる表現で、読んでいる人々に具体的に提示し、感情に食い込むというものになっています。

一方で、長尾さんの本にも似たようなことが書いてあったにも関わらず、読んだようで読んでおらず、普段の生活や心の中が慌ただしい、自分の状態にも気づかされました。基本食を決めるのは、自分で見つける、探すという姿勢を保ち、感覚を羅針盤にすれば良いわけです。しかし、その姿勢を保てない程に食生活が混沌としていて、見つけるのを放棄してしまっていたかも知れません。

長尾さん自体、処女作の題名でもある『New standard dish』、つまり、新しいスタンダード、自分らしい基本の食事の提案というのを、仕事としてやってきたという印象も受けますので、自分で手探りしていけば見つかるよ的な書き方になるのは、やっぱりそうだろうなと思います。
しかし、土井さんの本が売れているということは、その探求することの難しさ、考える時間の無さが、今の社会にはあるのかなと思いました。ですから、既存のわかりやすいところに原点回帰して、そこから始めようと。


というわけで、読書経験の中から、言葉が伝わるということの凄みや面白さを久々に感じました。「この言葉を持ってきた土井さんや編集者は凄いな…」と、感動していたら、だんだん形になってきて、ブログにしようと思いました。露骨に言ってしまうと、マーケティングにおいては強い言葉です。
ただ、こういった本を読む人は、食に関心のある人達や、今食事作りに携わっている家庭の主婦層が多いと思います。ですから、自分で食事を作ることに関心が無かったり、気力が無かったりする人、もっとこのメッセージが届いた方がいいかも知れない人には届かないかな、という矛盾のようなものも感じました。まず、本屋に行って料理コーナーに行くかどうかもわからないですしね。

で、土井さんの本はベストセラーになっている状況です。
本を購入するまでいかなくても、ウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』のコンテンツに、内容を要約したかのような対談が掲載されていますので、そちらをお読みになっても充分かと思いますよ。私は、ほぼ日で知ってから、更に読んでみようと購入しました。


テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

無水鍋で焼くおいしいパン

無水鍋を使って直火でパンを焼く本はあるのかな?と思っていたら最近出版された、こちらの本が目に留まりました。

カセットコンロで焼くレシピ本です。最近のコンロは安全装置が付いているので火力調節が効かないと。なるほどです。うちのガスコンロは旧式のものなので、問題なく行けそうです。

生活春秋さんから出ている、20cmサイズ、24cmサイズの鍋を使った作り方が丁寧に書かれていますので、内容をきちんと追って作れば出来上がると思います。パン作りが初めての方にも無理の無い手順です。殆どの材料が、水分も含めグラム表示なので、量の増減換算が楽にできます。細かいことを言い出せば、パン作りを詳しくやろうとすればするほど、いろいろ出てきますが、こういった内容はマニアックに焼く方向けになりますよね。

アレンジする場合は、鍋に対するパン種の分量が大切だと思われます。鍋肌からあまりパンが遠いと、いつまでも焼色がつかない、あるいは火が通り過ぎてしまう、またパン生地が多すぎれば鍋肌にくっついて焦げるいったことも起こりますので要注意です。24cmの無水鍋で小麦粉の量は250グラムという基準になっています。きれいな丸パンが焼ける、きりのいい単位ということだと思います。20cmの鍋ですと150グラムの粉量になりますが、150グラムは手のひらには少ないので、捏ねにくい気がします。

また、分割して小さく焼くなら、隣同士でくっつけるように配置しないと、たくさん焼くことができないです。直径30cmくらいの吉岡鍋や、日食から出ている持ち手がプラスチックの無水鍋は大きいサイズ展開がありますので、それらを使えば適度に隙間を開けても焼けると思いますが。


話を戻して、この本の中から、とりあえずは手元にあるカメリア粉で作れそうな、基本のソフトパンを作ってみました。
私の持っている無水鍋は、直径25cmのものなので、生地をもう少し増やした方がいいのかなと思いましたが、まずは本通りに。

実は、パンを焼くのは3年ぶりくらいなので、勘所をすっかり忘れてしまいました。
夏で気温も湿度も高いのに、水を分量通りにザッと投入してしまい、生地がまとまらずベタつきました。叩きこねをだいぶ増やし、水分を飛ばして生地温度を下げて何とかまとめ上げることはできましたが、柔らかめの生地になってしまいました。よって、丸めがあまりうまくいかずに楕円ぎみ。で、少しクープの深さを加減しました。発酵後、焼成。出来たものはこのような感じです。ちょっと平たいですが、3年ぶりにしては、まずまずかな?やっぱり、パン作りは楽しいです。

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やっぱり生地の大きさに対して鍋が大きく輻射熱が弱いのか、パン生地の水分が若干多いせいなのか、表側の焼色が付きづらく、火加減は中火のまま25分ほどかかりました(説明では23分)。裏が少し焦げましたので、あともう少し鍋を余熱しておけば、23分でいけそうな感じです。

とはいえ、表側に合わせると裏側が…となった最大の要因は、おそらく、蒸し板を手抜きしたからだと思います。
蒸し板を使えば底から3cmくらいは高さを稼げるので、底の焦げを防げるのだと思います。蒸し板が無かったものですから、ステンレス製の取り皿を2枚使い、小さい方の皿を伏せておき、大きい皿にパン生地を載せ…とやったら、高さが2cmくらいになりました。結果、パンのトップは鍋の上蓋から少し遠くて焼色がつきにくくなり、パンの底は鍋底に近いので焦げた、と考えられます。それだけ、無水鍋の下火は強く、パンをしっかり膨らませてくれるとも言えるでしょう。クープを入れても簡単に開くので、オーブンで四苦八苦していたのが嘘のよう。むしろ開きすぎを気をつけたい位です。

私の持っている鍋は、大きさは違ってもメーカーは同じで、おそらく、アルミ合金の質が違うわけではなさそうなので、この本の内容で作っていけそうです。これが、昭和の古い、今から半世紀以上は経ったような無水鍋だと、メーカーによっては、温度がかなり上がって火の通りが早いものがあったりするらしいのです。

と、いうわけで、道具はいろいろ代用すればよいですが、特に軍手2枚重ね装着はお忘れなく。鍋とパンの隙間が狭いので、生地を加熱した鍋の中に入れる時に火傷してしまいます。私の中ではマストアイテム。

内容はハードパン、ソフトパン、ちょっと変わったパンの3部構成で、最初のハードパンに取り掛かりたいところですが、時間のあるときに基本のソフトパンを作るのが、一番気軽に作れると思います。私はブログを書きたかったので夏日に作りましたが、発酵時間は、本の時間の3分の2くらいで済みましたし、焼き時間もハードパンより短いので、パン作りの基本をてっとり早く体験したいなら、ほどほどの夏日にソフトパンです。パン作りに少し慣れている人なら、なおのこと簡単に作れてしまいます。

でも、過発酵を見逃す可能性があるから、全くの初心者なら、春とか秋の方が良いのかな?漬け物や塩麹など、発酵食を作る人なら大丈夫だと思いますが。

ハードパンは冷蔵発酵の工程が入りますので2日がかりです。また、材料にフランスパン専用粉が指定されています。こだわって作るなら、イーストはサフを使いたい、粉はリスドォルが良いだろうか…と、いった感じで、田舎住まいでは、事前の準備にも時間がかかります。

全体的に、レシピのバリエーションは、作りやすく食べやすそうなものを満遍なく取り上げているので、パン作りが楽しく覚えられそうで好印象です。

私にしては珍しく制作過程を載せました。あまり時間が取れないので、これっきりになるかも知れませんが、参考になれば。


脱線しますが、無水鍋は大変便利な鍋ですが、私は無水でほうれん草などの葉野菜を茹でるのがとても苦手です。
季節によって、ほうれん草の葉の硬さや水分量が違いますから、鍋に入れて加熱する時間のコントロールが難しいです。茹で過ぎてクタっとなって葉が溶け出すほどになったり、逆に火が通らなくてシャリシャリとしたり。仕方がないので、無水鍋を使って普通にお湯で茹でています(トホホ)。

でも肉厚のアルミ鍋なので、水温が下がったとしてもすぐに熱が補給されて沸騰した状態を維持しやすく、とても重宝しています。また、無水茹でをしたものは、水にさらしてしっかりアク抜きをしてからでないと食べにくいです。普通に茹でると栄養分が抜けるかもしれませんが、アクも適度に抜けますので、慣れ親しんだ手順でアク抜きすればいいですし。不器用な使い手なので、これだけのメリットでもいいではないか!と納得させてはおります。


更に脱線して、文化出版局は、料理や手芸の本の大御所なので、ここから本を出せるということは、企画面でも実力面でも、文化出版局さんのお眼鏡にかなったということだと思われ、今まで別の出版社さんから主に本を出していた研究家さんが、こちらから上梓すると、ステップアップしたのだな…なんて勝手に思ってしまいます。文化出版局では、重版が続いている本が多いです。こちらの本も長く手にとってもらえると良いですね。
…あくまでも妄想なので信用してもらっては困るのですが、私の心象ではこういった感じなのです。


追記:2017年4月3日
焦げたパンの底をそのまま食べましたが、焦げ臭くもなくおいしいかったです。かなり濃い焦げ茶くらいの色味でしたら、おいしく食べられます。本当に真っ黒にしたら無理だと思います。それにしても我ながら追記が遅いわ…



以下、目次より引用です。


パンを作る前に知っておきたい無水鍋のこと
はじめに

◯無水鍋で焼くハードパン
基本のハードパン 
ブールマルゲリート パン・オ・ノア・レザン パン・コンプレ
パン・ド・カンパーニュ オリーブ&ハーブブレッド ポテトフランス
パン・オ・フィグ 雑穀フランス パン・オ・フロマージュ 
パン・オ・ベーコン ショコラフランス ブリオッシュ

◯無水鍋で焼くソフトパン
基本のソフトパン
パン・ド・ミー コーンパン セサミブレッド ミルクブレッド
グラノーラブレッド オニオンブレッド ハムロール
焼きカレーパン シナモンロール メロンパン
抹茶大納言パン デニッシュロール ミニ食パン

◯無水鍋で焼くちょっと変わったパン
イーストパンケーキ ピザ ナン コンプレ・ノア

パン作りに欠かせない基本の道具

コラム
粉のこと
Q&A



英国アフタヌーンティー&お菓子

本の版形は、通常のレシピ本に比べて少し小さく、この中に40種類のお菓子がコンパクトにまとまっていて、手にとって眺めやすく馴染みやすさがあります。あまり日本人寄りにアレンジされすぎていない本格派なイギリス菓子のレシピ本で、まず無難なのを1冊というなら向いていると思いました。この本の内容を押さえておけば、だいたい間に合います。

こちらの本は共著で、小関由美さんは主にティールームの紹介など、レシピは、神奈川県の湯河原でブリティッシュケーキハウスをご夫婦で経営なさっている、小澤祐子さんが担当しています。

レシピについて着目しますと、大原照子さんの『私の英国菓子』やジュリー・カレンさんの『ジュリー・カレンの英国伝統のホームメイドお菓子』に近い路線で、日本ではあまりメジャーではないお菓子も満遍なく取り上げられています。ただ、こちらお二方の本と違うのは、出来上がりの分量が少なめであり、かつ小ぶりでつまみやすく仕上げられていることです。今の(日本の)食卓の雰囲気には合っていると思います。上品なテーブルセッティングもなされていて、イギリスのティールームにいるかのような世界観もバッチリです。

この本の(私個人として)最大のポイントはお菓子に合うお茶の選び方です。
スパイシーなお菓子にはスパイシーなお茶、繊細なお菓子には繊細なお茶、ナッツ系のお菓子に意外と中国紅茶が合うなど、選び方のコツがわかりやすいです。お菓子レシピの一つ一つに簡潔に書かれてありますから、現実的にお客様や友人とティータイムをすることを考えると、迷いなく実践的に使える内容です。最初からこれが出来たら、一気に手馴れた人への仲間入りです。お茶選びが楽しくなりそうです。

面白かったのは、今、イギリスの紅茶は従来のブレンドティーではなく、お菓子との相性を楽しむ為のお茶の種類が、いちだんと多くなったという内容です。日本茶や中国茶などの影響もあるということで、ティーバッグからリーフへと回帰しているそうです。
本書でも、ダージリン、ニルギリ、キーマン、などなど、いろいろ紅茶が提案されていますが、この他にも、イギリスのコッツウォルズにある「ティサン」というティールームで売られている「コッツウォルズアフタヌーン」というブレンドティーが出てきます。大手の紅茶メーカーだけではなく、小さいお店も独自のブレンドがあるのですね。
コーヒーは、喫茶店の店主が独自のブレンドを試みたりしますが、紅茶については聞いたことがありませんでした。でもやっぱり当然ありますよね。

私がかつて読んできたイギリス菓子の本を思い出すと、お菓子に合う紅茶の提案は少なめか殆ど無いものが多かったです。セイロンやダージリンを淹れて飲み、たまにアールグレイが出てくるくらいだったような感じでした。ひょっとしてイギリス本国も、かなり大雑把だったんでしょうか?田舎で隠居やティールームならまだしも、都市部のビジネスマンが、優雅に紅茶を淹れ分けて飲んでる暇はなさそうです。ロンドンで、アフタヌーンティーがまた流行りだしたなどという話は、何年か前に聞いたことがありますが。

また、巻末の方で、イギリスでの砂糖の使い分け方に言及しています。
イギリス菓子は糖蜜を含め種類の多さが特徴だと思いました。本書では、日本で手に入る砂糖で作れるようにレシピが書かれています。日本人の味覚に合うようにイギリスには無い上白糖使用のレシピもあります。手に入るのなら、イギリスのカスターシュガーなどで作れれば良いのかも知れません。でも、フードプロセッサーでグラニュー糖を粉砕して細かい粒にして使うという手もあります。
今考えれば、山田詩子さんの『ティータイムのイギリス菓子』という本で、日本で手に入る砂糖をいろいろ使いわけてお菓子を作っていたのはその為だったのかなという気がします。


話を戻しまして、全体的に丁寧に作られた本だと思います。しかし、作り方じたいは文字情報のみの部分が多いので、多少お菓子を作ったことのある方でないと難しい部分があるかも知れません。特に、マジパンを使うケーキは、作るのがキツそうです。


ところで、世界文化社から砂古玉緒さんによるイギリス菓子の本が昨年の秋に出版されており、80種類のレシピと充実した内容で、レビューでの評判が良く、かなり気になります。こちらの本はビスケット、ショートブレッド、プディングなどが多めに紹介されているようでして、ケーキ類のレシピ数はそれほど大きく変わらないです。目次だけ見ると、自家製クロテッドクリームまで紹介されているてんこ盛りの本で、他の皆さんが数冊に分けて出しているような内容を1冊にしてしまった、決定版的な印象です。後に本を出すとき、ネタ切れは大丈夫なんだろうかと、余計なお世話で心配になってしまう位です。そのうちに読んでみたい本です。


以下、目次より引用です。



○1 伝統的なアフタヌーンティーメニュー
レモンメレンゲパイ バタフライケーキ ショートブレッド
リッチマンズショートブレッド
アフタヌーンティーサンドイッチ
(ローストビーフ スモークサーモン&サワークリーム)
キャロットケーキ チョコレートエクレア ベリーのトライフル
スコーン(プレーン&全粒粉&サルタナレーズン) スコーンの作り方

Column1 コッツウォルズのおすすめアフタヌーンティー
バーンズリーハウス


○2 アットホームなアフタヌーンティー
ヴィクトリアサンドイッチケーキ オートミールビスケット
チョコチップオートミールビスケット ミニコーニッシュパスティ
ティーブレッド ミニパブロヴァ バッテンバーグケーキ
アフタヌーンティーサンドイッチⅡ(キューカンバー&ミント)

Column2 コッツウォルズのおすすめアフタヌーンティー&クリームティー
クリームティールーム アビーティールーム ティサン マシュマロ


○3 ティータイムのお菓子
アプリコットクランブルスクエアーケーキ リッチチョコレートケーキ
レモンレイヤーケーキ ベイクウェルタルト バノフィパイ
トリークルタルト コーヒー&ウォールナッツケーキ カップケーキ
アップルパイ マディラケーキ クランペット バナナブレッド
ココナッツケーキ

Column3 ロンドンのおすすめアフタヌーンティー
ブラウンズホテル ハイティーオブハイゲイト


○4 特別な日のお菓子
クリスマスプディング プディングの作り方
フルーツケーキ ミニクリスマスケーキ(シュガーケーキ)
シムネルケーキ ホットクロスバンズ

Column4 英国陶器のふるさと 
ストーク・オン・トレント、エインズレイを訪ねて
私のおすすめイギリス紅茶、パートリッジ


ショートクラストペストリーの作り方
おいしい紅茶の淹れ方
この本で使う食材について 型について



テーマ: 料理の本
ジャンル: 本・雑誌

こんにちは。

こんにちは。

こっそり久しぶりの更新です。非常に日数は空くと思いますが、お暇なときにでも見に来てください。

私の息子が、パソコンに向かうと寝ていても「ウーウー」うなりだす性分なようで、あまり時間が取れなかったです。でも、書きあがりましたので、良しといたしましょう。

では、またー!
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